1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分

勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?

出社回帰でテレワークは消える? 写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

 コロナ禍を機に、テレワークは身近な働き方となりました。その一方で、職場が出社回帰の方針を出す動きも目にするようになりました。週3日は出社などハイブリッドにしているケースもあるものの、コロナ禍で緊急事態宣言が発出されていたころとはガラリと変わり、通勤ラッシュ時の公共交通機関はコロナ前と同じような混雑ぶりです。

 「出社するのはイヤ」「満員電車はしんどい」――といった声がネット上などで見られる一方で、「無限に作業することになる」「サボりたいだけ」などテレワークに対する否定的な声もあります。

 日常の景色がコロナ前とほとんど見分けがつかなくなっている中、テレワークは消えていくのでしょうか。

●テレワーク=ノンアルコールビール? その心は

 日本生産性本部の「第14回 働く人の意識に関する調査」によると、2024年1月のテレワーク実施率は14.8%。4カ月連続で減少し、調査開始以来、最低となりました。最初の緊急事態宣言が発出された2020年5月の31.5%と比較すると半分以下の数値です。

 コロナ禍が発生し、誰がいつどこで感染するかも分からないパニック状態の中、テレワークへの切り替えには、社員の健康や命を守りつつ、事業を存続させる手段として大きな意義がありました。しかし、強引に切り替えたケースも含めて、多くの職場がテレワークを経験したことによってデメリットも見えるようになりました。

 その最たるものの一つは、社員が職場に集わなくなったことで、その場にいるからこそ得られる臨場感を共有しづらくなり、グルーヴ感(ノリや高揚感)が醸成しづらくなったことです。チームの目標達成を喜び合ったり、難易度の高いプロジェクトに取り組もうと一体感を高めたり、互いにアイデアを出し合って刺激し合ったりしたい時に、社員が同じ場所に集って空間を共有していないと物足りなく感じられがちです。

 リアルタイムに情報を共有するという機能だけを考えるなら、インターネットを介すことで対応は可能だと思います。しかし、映像を通じてスポーツや音楽を楽しむのと、会場に足を運んでその場の空気を体感するのとでは大きな違いがあります。味やのど越しがビールと遜色(そんしょく)ないとしても、ノンアルコールでは酔えないという違いに似ているかもしれません。

 コロナ禍を機にテレワークを経験した結果、改めて全員が同じ場所に集うことの価値を再認識した会社は、社員に出社回帰を求める指示を出したくなることでしょう。会社としては、厳しい競争を勝ち抜いていくために最善の手を打たなければなりません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください