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勢いづく出社回帰 テレワークは消えゆく運命なのか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時35分

●テレワークはこのまま消えていくのか

 確かに、テレワークという働き方は下火になりつつありますが、このまま消えていくかというと、そうとも言えません。根拠となるポイントを5つ挙げたいと思います。

市民権を得たテレワーク

 まず1つ目は、誰もがテレワークのことを“あって当たり前”と思うようになり、働き方の一つとして市民権を得たことです。コロナ禍以前のテレワークは、言葉だけは耳にすることはあったものの、いざ自分自身の就業環境に置き換えてみるとどこか現実味のない働き方でした。

 しかし、実際に自らが体験したり、身近に経験者が増えたことにより、テレワークは手が届く可能性のある働き方へと変わりました。一度現実的な働き方の一つとして認識されると、テレワークを選択できない環境に対して不満を感じる人も増えていくことになります。

一定程度根付いた

 次に、新型コロナウイルスが2類から5類に移行しても一定の範囲でテレワークが根付いていることです。比率が下がってきているとはいえ、継続してテレワークを実施している人たちはいます。中には、NTTグループのようにテレワークを基本にして転勤を廃止する方針を示した会社もあり、職場環境をめぐる風景はコロナ前と一線を画した状態になりました。

採用の成否を左右

 3点目は、テレワークの可否が採用の成否を分ける条件になってきていることです。Indeed Hiring Labによると、2024年5月にIndeed上で行われたリモートワークに関する仕事の検索割合は、コロナ禍前の2019年5月と比較して2.2倍に増えています。

 さらに、日本生産性本部の調査ではテレワーク実施率が最も高かった2020年5月と比較しても1.7倍に増加しており、出社回帰の傾向とは裏腹に、求職者側のテレワークへの関心はむしろ高まっている様子がうかがえます。人口減少が続き、売手市場の傾向が強まる中、テレワークの可否は採用戦略を左右する重要指標となりつつあります。

タスク単位で浸透

 4点目は、タスク単位に分解して考えるとテレワークはさまざまな場面で既に浸透していることです。帝国データバンクが2023年に実施した調査では、対面とのハイブリッドを含めてオンラインで会議を行っている比率は社内会議で32.6%、社外との会議では65.0%に及びます。

 出社回帰が進んでいるとしても、会議の時など個々のタスク単位ではオンラインが使われているケースが珍しくありません。販売職や保育士といったテレワークが難しい職種でも、シフト調整や業務管理などクラウド上で対応可能なタスクはあります。今後、テクノロジーの発展とともに、テレワークタスクはもっと増えていくはずです。

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