1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

なぜ、キャラクター商品は目を引くのか? 裏にある2つのマーケティング手法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 6時15分

 文具やアパレルなどの商品化にとどまらず、キャラクターは飲食業界などでも多角的に展開されています。キャラクターカフェやテーマパークといった展開も、コロナ禍での行動制限の緩和により、前年度から一転して好調です。

 例えば、人気アニメ『鬼滅の刃』のキャラクター商品は、国内外で高い売り上げを記録。関連商品の売り上げは数千億円に上りました。直近ではたこ焼きチェーンの「築地銀だこ」が、アニメの第4期放送に合わせて4月末から3カ月間の大規模なコラボキャンペーンを実施し、キャラクターとコラボしたメニューや限定グッズを受注販売しています。

 すかいらーく系列のジョナサンとガストでも、5月から7月までコラボメニューとそのメニューを注文した際にもらえる限定グッズに注目が集まっています。

 回転寿司チェーンの「スシロー」は、アニメ『【推しの子】』とのコラボキャンペーンを展開しています。コラボメニューの人気を受け、コンビニの専売特許であった一番くじを実施するなど、キャラクターによる売上向上施策に力を入れている様子がうかがえます。

●なぜ、キャラクターは目を引くのか?

 キャラクターがマーケティング施策として商品に採用される要因として、キャラクターの圧倒的な視覚的求心力が挙げられます。どんな商品棚でも、文房具なら文房具、菓子類なら菓子類しか並んでいないところに、見慣れたアニメキャラクターがいたら目に飛び込んでくるものです。

 この現象には2つの心理学を応用したマーケティング手法が関係していると考えられます。1つは自分が関心のある特定の情報が、自然と目にとまりやすくなる「カラーバス効果」です。占いでラッキーカラーが赤だと言われると、その日1日赤いものが目にとまりやすくなるといった現象からこう呼ばれています。

 もう1つは日常生活において、違和感のあるものや特異な状況に自然と目がいってしまう「カクテルパーティ」効果です。周囲の環境が騒がしい中でも、自分にとって重要な情報や異常な事態を瞬時に察知し、意識がそこに集中することに由来しています。

 また、これは筆者が「ヤフーきせかえ」の事業責任者を担当していた頃に経験した実績からも言えることですが、キャラクターには「ブランド力」があります。

 同じ柄や装飾でも、そこに知名度の高いキャラクターがあることで「公式」のような信頼感を与えることができます。商品自体にブランド力がなくても、キャラクターが持つポジティブなイメージや認知度から、消費者は「これは安心できる商品である」と錯覚し、その商品を選択するのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください