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千葉のキッザニアっぽい施設「カンドゥー」 存続の危機から一転、過去最高の来場者数に どう立て直した?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月14日 8時10分

 「コロナが明けても人が戻ってくるか分からない中で、債務超過に陥った状況をどうするのかと。事業を撤退するか、それとも存続するか、親会社(イオンモール)で喧喧囂囂(けんけんごうごう)たる議論がありました。赤裸々に言うと、実はもう撤退する方向で取締役会にかける準備が進んでいたんですよ」

●「混雑回避」と「値上げ」 改革に着手

 末松社長が着手したのは大きく分けて、(1)オペレーション改善と(2)値上げだ。

 まずオペレーションについて。カンドゥーは営業時間を二部制に区切っている性質上、決められた時間に予約した利用客が一気に押し寄せることになる。ピーク時にはゲート外が満員電車のようになっていたという。

 利用客からすると時間通りに来ても行列に長時間並ばなくてはならず、子どもが“出勤時間”に遅れてしまうことも頻発していた。

 そこで、予約サイトの運営や予約・チケット販売SaaSサービスなどを提供するアソビュー(東京都品川区)の支援を得ることに。チケットの販売から発券、着券(もぎり)までの手続きのオンライン化、及び予約経路の一本化を進めていった。

 一連の手続きをオンライン化したことで、利用客はそれぞれの集合時間をスマホで確認して動けるようになり、スタッフが交通整理する必要はなくなった。最終的には1人当たり1分~1分30秒の受付時間の短縮につながり、行列は解消された。

 電話予約を受け付けていたコールセンターへの着電も減り、土日はほとんど電話が鳴らなくなったという。

●「冷めたカツ丼」が置きっぱなし……レストラン問題も解消

 カンドゥーの持ち味であるレストランエリアにも問題があった。食事の注文を受け付けるレジが1台しかなく、ここにも長蛇の列ができていたのだ。

 そこでモバイルオーダーを導入し、席に座りながらスマホで注文できるようにした。子どもが仕事をしている姿を横目で見ながら注文と決済ができ、注文した料理が出来上がるとLINEから通知が届き、提供台まで取りに行くだけでよくなった。

 「これまでは注文するまで30分、食事が届くのにさらに30分と、行列に並び始めてから食べられるまで約1時間かかっていました。食事が届いても次の子どもの仕事が始まる時間になってしまい、冷めきったカツ丼がテーブルの上に置きっぱなしになっていることもありました。こうした問題が解決したことで非常に好評を得ています」

 他にも仕事体験の予約端末を1カ所に集約して分かりやすくしたり、仕事体験の空き状況をスマホ上で確認できるようにしたりなど、オペレーション面の改善を進めていった。

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