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女性が牛丼屋に入りにくい問題どうする? 「吉野家」15年ぶり大規模出店 女性を狙った2つの店舗スタイルとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月29日 6時20分

女性が牛丼屋に入りにくい問題どうする? 「吉野家」15年ぶり大規模出店 女性を狙った2つの店舗スタイルとは

大規模な出店攻勢を進める方針の吉野家

 吉野家は今期、国内で100店舗を増やす計画だ。約1200店舗で頭打ちとなり、10年以上にわたって横ばいに推移してきた吉野家があらためて攻勢をかける。100店規模の新規出店は実に15年ぶりのことだという。

 2種類の新業態店で攻める方針だが、既に飽和状態にある牛丼業界において、どのような勝機があるのか。新業態店の特徴とその狙いを探る。

●店舗数1位は最後発の「すき家」

 吉野家は1899年に東京・日本橋で創業した。その後に築地へ移転し、戦災を乗り越えて営業を再開。多店舗展開を始めたのは1960年代以降である。その後は、「早い、うまい、安い」をキャッチフレーズとして店舗展開を加速させる。

 競合の松屋は1968年に牛めし・焼肉定食店として1号店をオープン。吉野家と同じようにチェーン展開を進めた。ちなみに松屋の創業者は吉野家の味に感銘を受け、牛丼業態を始めたといわれている。

 後発のすき家は、1982年に1号店をオープンした。都市部を抑えていた吉野家・松屋に対してすき家はロードサイドに出店し、地方および郊外で勢力を伸ばし、2008年に当時トップだった吉野家の店舗数を上回り業界1位となった。

 業界全体では2014年以降、すき家・吉野家・松屋の3社はそれぞれ約2000店舗・約1200店・約1000店舗のまま横ばいに推移しており、飽和状態になっている。

●女性比率の高いテークアウト専門店

 先述の通り、吉野家は今期大きく出店を加速する方針だ。2025年2月末時点の店舗数は1323店舗を計画しており、実に15年ぶりとなる100店規模の出店を目指す。

 新規出店の軸となるのがテークアウト専門店である。同店舗の面積は約50平方メートルと、100平方メートルを基本とする従来店の半分だ。テークアウトとデリバリー専門のため、イートインスペースはない。中に待合スペースを設ける店舗もあるが、通りに面した窓口があるだけの簡易的な店舗もある。都市部では商店街や角地への出店が目立つ。

 初期投資額も従来店の2分の1以下と安価だ。従業員数は従来店と変わらないが、配膳の必要がなく、より効率的に運営できるため運営コストも低い。求人では配膳や片付けが不要な点を強調しており、従来の「キツい」というイメージを軽減できているのか、アルバイトを集めやすいという。

 これまで吉野家はテークアウト専門店を2022年度に6店舗、2023年度に37店舗出店した。2年の検証期間では売上高が計画を上回ったほか、弱みとする女性客を獲得できていることが分かり、同店舗の出店加速を決めたという。

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