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東急の「自動運転バス実証実験」に京急バスも参加、成果と課題が見えてきた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月29日 8時10分

 予約システムは、乗車したら「確認」をタップする仕組みになっており、これで乗車完了、発車オーライとなる。しかし私たちのほとんどがその仕様に気付かず、試乗終了後に「確認」していた。このオペレーションも今後の課題となりそうだ。

●解決すべき課題は多い

 東急の担当者と話したところ、今後の課題としては「バスを一回り大きくしたい」という。やはり最高時速19キロメートルでは一般車両との協調は難しく、利用者も遅いと感じる。現在のEVバスはゴルフカートをベースにしており、乗降は座席1列につき両側に扉がある。この開閉も添乗員が行う状態だ。小さなバスに添乗員2人だと、既存のバスより多い。

 ただし、自動運転イコール無人運転ではない。鉄道の場合は動力車操縦者運転免許を持った運転士が列車を動かすけれども、非常ブレーキは免許を持たない車掌も操作できる。運転が自動になっても車掌が非常ブレーキを操作して安全を担保できる。これと同様に、バスも大型二種免許を持つドライバーを自動化して、旅客案内と非常ブレーキ操作役を添乗させるという方法もあるだろう。ただし、技術的にも、法律的にも可決すべき問題はある。

 自動運転を実現するために、どんな課題があるかを洗い出す作業と、サービスに必要な手順の確認作業が、実証実験の現在地といえる。

 IT企業も自動運転の車両や仕組みを開発しているけれども、それを採用すれば、実用化に当たって使用料を払う形になる。タクシーの配車アプリのように、外注すれば実入りが減るという状況になるわけだ。それならバス会社が自社開発すれば、自社で使うだけでなく、システムを販売する側に回れるかもしれない。もちろん実用化まではクリアする課題も多く、かなり長期的な戦略だ。しかしバス会社自身が開発することに意味がある。

 なお、ラストワンマイルは必ずしも自動運転やEVでする必要はない。東急バスはすでにオンデマンドバスを東京都の世田谷区宇奈根・喜多見地区で運行しているほか、世田谷区砧・祖師ヶ谷大蔵、大田区池上駅・西馬込駅接続エリア、大田区蒲田駅接続エリアで実証実験を行っている。これらが将来は自動運転になるかもしれない。オンデマンドバスはAIでルート設定する試みも行われており、別の機会にご紹介したい。

(杉山淳一)

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