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案件減らし売上2倍に アドビの最強インサイドセールス部隊は、いかに大口受注を勝ち取るのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 6時20分

 一企業に対し担当の営業パーソンを決めている。他企業ではSDRとBDRを組織として明確に分けているケースが多いが、同社では担当営業が両方に対応している。

 「当社では、SDRとBDRのミックスのような形で、ターゲット企業の担当営業が責任をもって両方対応しています。企業に深く入り込んでいくためには、インバウンドで入ってくるお客さまの声も、アウトバウンドで取り組む内容もかなり連動していると考えています」

 ターゲット企業以外からの問い合わせにももちろん対応しているが、商談金額が高いため顧客側が断るケースも多いという。

 エンタープライズ企業をターゲットとするBDRでは、意思決定にかかわるキーパーソンとどうやってつながるかが重要となる。年単位でロードマップを作り、受注獲得までの作戦を練る。

 同社ではインサイドセールスとフィールドセールス、エンジニアなどでチームを組んで動いている。ターゲット企業一社に対し、アドビ側のメンバーは10人ほど。

 インサイドセールスではホワイトペーパーのダウンロードやセミナー参加などで得たリードに対してアプロ―チするほか、SNS経由でキーパーソンにコンタクトを取ったり、役員に継続して手紙を送ったり、関係構築に注力する。

 とはいえ、エンタープライズ企業では意思決定にかかわる人数が多く、役員、経営層などのキーパーソンとつながるのはなかなか難しい。同社では具体的にどのような取り組みをしているのか。

 「つながりのあるお客さまから紹介いただくか、書面でアプロ―チすることが多いですね。他には、ターゲット企業一社のためにセミナーを開催し、顧客データを収集するケースもあります」

 「メールと電話だけではお客さまのニーズは高まらないのではないかという考えから、定期的なコミュニケーションの方法も工夫しています。同じ方に長期的にアプロ―チするケースが多いのですが、最近はお手紙にお花を添えて送付。また、当社のマーケティングチームの役員の名前でメールやお手紙を送付し、『会社対会社でつながっていきましょう』というメッセージを表現するなど、さまざま工夫しています」

 インサイドセールスチームのKPIでは受注貢献度合いを重視している。売り上げのうち、インサイドセールスの貢献による金額はどれくらいか、という視点で評価する。

 「BDRでは商談期間が長い案件が多く、1年以上かかるケースも珍しくありません。インサイドセールス、フィールドセールス、マーケティングなど、各メンバーがいろいろな施策を講じて、温めて温めて受注に至るのです。そのため、インサイドセールスで売り上げを立てるということではなく、インサイドセールスが獲得したリードや、生み出したきっかけが受注に貢献しているのか――という視点が重要です」

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