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案件減らし売上2倍に アドビの最強インサイドセールス部隊は、いかに大口受注を勝ち取るのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 6時20分

 「フィールドセールスが日々の案件に集中している一方、インサイドセールスの強みはカバレッジを広げられること。まだ契約のない部署やグループ会社とつながり、キーパーソンを見つけ、案件化に貢献していくのです」

●デジタルでの管理を徹底

 同社のBDRの強みはデジタルでの管理を徹底していることだと松田さん。例えば、ユーザーベースが提供する「FORCAS」を活用し、役員情報や人事情報などからターゲット企業の情報収集をして、キーパーソンを見極めている。

 顧客データは、個人単位だけでなく企業単位でも管理している。

 「MAツール『Adobe Marketo Engage』を活用し、メール開封やセミナー参加などの行動頻度と、各顧客(リード)の役職をそれぞれスコアリングし、ホットなリードを可視化しています。メール開封は何点、セミナー参加は何点………と細かくルールを決めて運用。ドリルダウンすると、どの商品への注目度が高いか、キーパーソンとなる役員がどのような行動をしているかなど、対象企業がなぜホットに認定されたのかという理由も一覧で確認できます」

 「また、例えば、担当企業100社のうち、ホットリードは60件、そのうち商談を提案している企業は20件、受注金額は〇円――など、各営業の進捗管理にも活用し、取りこぼしを防いでいます」

 「エンタープライズ企業は意思決定にかかわる人数が多いため、企業単位の状況と各キーパーソンの行動を確認し、適宜アプローチする状態が仕組み化されています」

●THE MODEL型の分業体制は崩壊……? 高まる「効率化」の必要性

 BDRを強化して約2年が経過した今、ターゲットを絞っている分、受注件数は減少しているが、受注金額が大幅に増加しているという。「案件数は半分以下になっていますが、受注金額は2倍程度に増加。少数精鋭で、生産性を高めてこれたと感じています」

 「生産性向上」は、今後インサイドセールスを語るうえでキーワードになるだろう。人的リソースも予算も限られている現代、効率よく売り上げを立てることは喫緊の課題だ。

 「当社は今クロスセル(顧客が購入を検討しているものとは別の商品・サービスを提案すること)やアップセル(客単価を向上させる取り組み)を重視する戦略を取っています。既存顧客からのアップセルやクロスセルのほうが効率が良いとする動きが、グローバルでトレンドになっていると感じています」

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