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「迷惑かけないでね」 直販タブーのテレビ業界でインサイドセールス発足、メ~テレはどうやって成果を出した

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月23日 7時20分

「迷惑かけないでね」 直販タブーのテレビ業界でインサイドセールス発足、メ~テレはどうやって成果を出した

メ~テレはどうやって成果を出した?

 「テレビ局で直販なんてほとんどやったことがないよ」──2022年5月、名古屋テレビ放送(以下、メ~テレ)の伊藤理さん(ビジネス推進局 セールスソリューション部 主事)がインサイドセールスチームを立ち上げた際に、社内の営業経験者から言われたセリフだ。

 この発言はテレビ業界の特殊な商慣習を表している。同業界では、テレビ局は質の高いコンテンツを製作し、広告会社がCMを売るという役割分担が根付いていた。そのため、広告会社を介さない直販はタブー視されていた。

 テレビがお茶の間の主役だった時代はそれで問題なかった。しかし、現代は娯楽が多く溢(あふ)れ、テレビはYouTubeやストリーミングサービス、SNSなどと消費者の時間を奪い合う状況だ。

 テレビの視聴率が下がると、CMの売り上げにも影響する。テレビを取り巻く環境の変化を踏まえて、メ~テレは2019年ごろからCM以外の広告商材の開発に注力してきたが、当時はなかなか芽が出なかった。

 「創業以来、広告会社経由でCMを売るという確立されたビジネスモデルでうまくいってきました。もっと言えば、私たちはそこにあぐらをかいていた。そのため、CMを売る以外に目が向きにくかったのかもしれません」(伊藤さん)

 当時、伊藤さんは番組制作を経て、2019年に東京支社に異動。営業部の企画戦略チームに所属しながら、CM以外の稼ぎ口探しに取り組んだ。当初は、CM出稿してくれた場合にはタクシーサイネージを付けるといった「オマケ作戦」などを実行していたが、CMと全く関連しない商材を売るところまではたどり着かなかった。このままではじり貧になると感じていたという。

 手弁当でビジネスセミナーを主催してリードを獲得したことをきかっけに、その場しのぎではない根本的な改善の必要性を実感し、2022年5月に社内のチャレンジ制度としてインサイドセールス組織を立ち上げた。社内のメンバーはたったの3人だった。

 社内では懐疑的な意見もあったが、伊藤さんたちは9月に既存の営業が苦戦していた「高校生ダンスバトル選手権」への協賛契約を勝ち取ってきた。

 この出来事を皮切りに、インサイドセールスチームは頭角を現すように。初年度で売上目標102%を達成し、翌年2023年度は倍増した予算に対して113%を達成した。2年間で成約率を25%にまで引き上げた。

 どのように、社内の懐疑的な反応や商慣習上のタブーを乗り越え、成果を出し続けているのか?

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