「新札」登場で現金派はどうなる? 券売機のコストがもたらす影響
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月1日 9時19分
このように新紙幣への対応が後手に回ることで、皮肉にもキャッシュレス決済への移行が加速する可能性がある。森岡氏は次のように分析する。「現金利用者が新紙幣を受け入れない機器に直面した時、現金の利便性は損なわれ、キャッシュレス決済への転換を促す方向に作用する可能性がある」
経済産業省の調査では、キャッシュレス決済利用者の4割が、キャッシュレス決済が使えない店舗の利用を避ける傾向にあることが分かっている。この傾向は、新紙幣に対応していない現金取扱機器にも当てはまる可能性が高い。
●「新紙幣」発行による影響
特に影響が大きいのは、人を介さない決済の場面だ。券売機、自動販売機、駐車場の精算機などでは、新紙幣が使えないことによる不便さが顕著に現れる。これらの場面で、スマートフォン決済やクレジットカードのタッチ決済の利便性が際立つことになる。
ただし、この影響は一様ではない。医療機関や公共料金の支払いなど、現金決済が主流の分野では、新紙幣への対応が比較的早く進む可能性が高い。一方で、小規模な小売店や自動販売機など、更新コストが経営に大きな影響を与える分野では、対応が遅れる可能性がある。
このように新紙幣の発行は、現金派の消費者の行動にも影響を与える可能性がある。現金取扱機器の更新遅れによって一時的に現金の利便性が低下すれば、これまで現金を好んでいた消費者もキャッシュレス決済を選択する機会が増えるかもしれない。
(金融・Fintechジャーナリスト、斎藤健二)
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