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街中でEV車はそれほど見かけないのに、なぜ「使われない充電器」がたくさんあるのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月3日 6時30分

 理由はシンプルに「使われない」からだ。

 山武市によれば、これらの急速充電器は2014年から2024年までで415回しか使われず、この10年間で約2200万円の赤字が出たという。

 実はこのように「補助金が出る」ことから軽い気持ちでサクっと設置したものの、いざ運用してみると「使われない充電スポット」になってしまうリスクがあるのだ。この背景について、充電器設置事業関係者はこのように語る。

 「稼働率が低い理由はさまざまな要素があります。まず拠点のニーズに見合った導入計画ではなかったことが挙げられます。このほかには、アプリの使い勝手も大切ですし、ローミング(利用者が契約している事業者とは異なる充電設備でもサービスを利用できる機能)などの利用促進施策があるかも重要ですし、やはり料金も大きいです。定額プランなど、柔軟な料金体系を導入している充電設備会社の充電器は、稼働率が高いですね」

 このような「使われない充電スポット」問題は各事業者の頭を悩ませていて、それは「完全無料」をうたって急速に充電インフラを広げているテラチャージにも当てはまる。

●お世辞にも高いとは言えない稼働率

 同社のアプリは、地図でテラチャージの充電スポットが示され、アプリ上から予約できることもあって、それぞれのスポットが利用中かどうかも一目瞭然だ。筆者が見たときは「利用可能」ばかりで、お世辞にも稼働率が高いようにはうかがえなかったのだ。

 充電インフラ事業者各社の充電器の中で稼働している割合を調べて、継続的にSNSで発信している「株夫」というアカウントがある。その投稿を見ていると、同業者であるエネチェンジやプラゴの稼働率に比べて低い傾向がある。

 例えば、6月15日の午後1時50分から午後2時5分ごろの状況を見ると、エネチェンジは2329基中、稼働しているのは156基なので稼働率は6.7%。プラゴは231基中、稼働は6基で同2.6%。対してテラチャージは2182基中、稼働は12基ということで、わずか同0.5%にとどまっている。

 株夫さんはこのように、これまで継続的に3社の状況を調べているのだが、テラチャージの稼働率が低い傾向はそれほど変わっていない。

 とはいえ、これはあくまで個人が調べていることであって、しかも24時間モニタリングをしているわけでもない。やはり正確な稼働率データを知るためには、サービスを提供するテラチャージに確認しなくてはいけない。

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