7000万台を売った中国の電動二輪メーカー 日本でどう戦うのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月8日 12時52分
中国メーカーの電動二輪車「ヤディア」、日本でどう戦う?
2001年に中国で誕生し、2017年から2022年まで6年連続で電動二輪車の販売台数ランキングで世界1位(フロスト&サリバン社の認定より)を獲得しているモビリティブランド「YADEA(ヤディア)」。
日本への本格参入は2022年3月で、足場関連製品などの製造・販売を手がける長谷川工業(大阪市)から独立したハセガワモビリティが共同開発パートナー、及び総代理店を務めている。同社は日本市場で発売する全製品の開発において、主に日本の道路交通法に関する知見提供というカタチで協力している。
ヤディアは5月3日、日本初となるフラッグシップストア「YADEA表参道」をオープン。現在の製品ラインアップは、電動キックボード(特定小型原動機付自転車、一般原動機付自転車)が3機種、電動アシスト自転車が2機種で、2025年夏以降に電動バイクの発売も予定している。
日本においても順調に販売台数を伸ばしており、直営店を増やしたい意向もあるという。ヤディアが世界的に注目されている理由はどこにあり、日本市場ではどんな戦略で戦っていくのか。ハセガワモビリティの事業責任者 亀田宝寿氏、PR担当者 住田勝氏に取材した。
●電動二輪車の販売台数で世界一に
2001年に誕生し、世界トップクラスのブランドに成長したヤディア。燃料にガソリンを使うモビリティを扱わず、電動バイク、電動モペット(電動モーターのみで走行するペダル付きバイク)、電動自転車、電動キックスクーターと電動二輪車に限定したビジネス戦略で人気を博している。
これまでに7000万台以上の電動二輪車を販売しており、2017年から2022年まで6年連続で電動二輪車の販売台数で世界1位であると、マーケットリサーチなどを提供するフロスト&サリバン社(米国)が発表している。
なぜ、ヤディアが世界で支持を集めているのか。この問いに対して、亀田氏は「製品開発力の高さ」を挙げた。
「2001年の創業時、中国ではガソリンを使ったクルマやバイクしか販売されていなかったのですが、ヤディアは電動だけに焦点を絞り、一から自社で研究して多くの製品を作り上げてきました。特に注力しているのがオリジナルのバッテリーで、パワフルで充電効率がいいという特徴があります。約15分に1台を生産できるスピーディーな生産体制も持ち合わせています」(亀田氏)
現在、ヤディアには2つの研究所があり、1000人以上の研究開発スタッフが在籍している。また、中国国内で1900以上の特許を取得している。その結果、高い機能性を持つ製品の開発が可能になり、例えば、日本で2025年夏以降に発売予定の電動バイク「K2」は、一度の充電で100km以上の長距離走行が可能だ。
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