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7000万台を売った中国の電動二輪メーカー 日本でどう戦うのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月8日 12時52分

 「特に電動キックボードは初めて乗る方が多いので、試乗したいという要望が多いんです。東京だけでなく大阪でも物件を探していたんですが、まず表参道に良い物件が見つかり、情報発信拠点として適していると考えました」(住田氏)

 同店には、発売前の電動バイク「K2」も含め、現状のラインアップがそろう。表参道という場所柄、若年層や外国人の来客が目立つが、40代以上の層も見られるそうだ。

 「店舗は非常に反響が良く、特に晴れている日は多くの方でにぎわっています。ヤディア製品の特徴でもある“パワフルさ”を実際に体感され、購入にいたるケースが多いですね」(住田氏)

 フラッグシップストアでは、2種類の電動アシスト自転車と特定小型原動機付自転車タイプの電動キックボード2種類がよく売れているという。特定小型原動機付自転車は、最高速度20km/h以下などの一定条件を満たす自転車で、16歳以上であれば免許がなくても乗車できる。

 「電動キックボードについては、2023年7月1日の法改正後に急激に販売数が伸びています。免許が不要であり、ヘルメットの着用が努力義務になっているので、そうした点を魅力に感じる方が多いのかもしれません」(住田氏)

 ヤディアの国内戦略として、日本では大手のバイクメーカーが存在するため、バイクよりも電動アシスト自転車と電動キックボードを先んじて発売している。そのうえで、電動アシスト自転車は日本市場に多く出回るシティタイプや子どもを乗せるタイプではなく、ファットバイク(タイヤ幅が10cm前後の自転車)を先行発売したという。

 中国をはじめとした海外では、ヤディア製品において圧倒的に電動バイクが人気で、全製品の約5割の売り上げを電動バイクが占めているそうだ。

●販売数は伸びているが、課題は多い

 長谷川工業では、本格的に電動二輪車事業を展開すべく、2024年1月に同事業を専門とするハセガワモビリティを設立した。2024年の販売目標として1万台を定めており、7月初旬現在5000台近くまで販売数が伸びているという。

 「今年の下半期にも新製品を発売する予定がありますし、目標達成への手応えを感じています。より購入しやすいよう、地方でも商品を見て触れていただける環境を作っていきたいですね」(住田氏)

 目標達成に向けて順調に進んでいる一方で、課題も少なくない。例えば、電動アシスト自転車は、街乗りで便利なシティサイクルタイプや子どもを前後に乗せられるタイプが一般的であるため、ファットバイク向けの駐輪場が不十分だという。駅や賃貸マンションにある一般的な駐輪場では停められないため、バイク用の駐輪場に停めなければならないのだ。

 また、電動キックボードは法改正に伴いルールが複雑化しており、認知が進んでいないのが現状だ。利用者に正しくルールを把握して安全に乗車してもらう必要があり、これも課題だとヤディアでは考えている。

 今後、ヤディアが目指すのは「電動二輪車のブランドといえばヤディア」という世界観を作っていくこと。日本には大手競合もおり容易ではないが、6年連続で販売台数世界一の実力の持ち主であり、さらに人気が拡大していく可能性はありそうだ。

(小林香織)

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