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7000万台を売った中国の電動二輪メーカー 日本でどう戦うのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月8日 12時52分

 また、最新の電動バイク「K5」(日本では未発売)は、自動車用の超高速直流充電を活用すると、10分でバッテリー容量の80%を充電できる。つまり、ガソリンで動く従来のバイクに劣らない性能を持つ電動二輪車を多くラインアップしているのだ。

●長谷川工業と組んで本格的に日本進出

 ヤディアは2007年から海外進出しているが、日本においては関連の法律が厳しく、本格的な進出ができていなかった。そんな矢先、長谷川工業が「日本市場で一緒に製品を売りましょう」とヤディアに声をかけたのだという。

 「当社は、60年以上前に創業した脚立の製造販売メーカーなのですが、2019年から新事業として『パーソナル モビリティ デバイス プロジェクト』を立ち上げました。マイクロモビリティ推進協議会に参画して、経済産業省や警察庁、国土交通省などと電動キックボードの走行ルール作りや安全啓蒙活動を進めるなかで、日本の法律や規模に合った電動二輪車を製造できるブランドを探していて、ヤディアに注目しました」(住田氏)

 長谷川工業は千葉市、大阪市、堺市で公道を走行する実証実験を行っているが、どれも事故なく実験を終えている。そうした実績や日本の交通関連の法律を熟知している点、安全性を重視した脚立メーカーとしての実力を踏まえ、ヤディアが申し出を受け入れたという。

 そうして両社は戦略的パートナーシップを締結し、共同開発に着手。2022年3月に初の共同開発製品として、公道を走行できる電動キックボード「KS5 PRO」(18万2600円)を発売した。

 「同製品はバッテリー容量が大きく、最大航続距離は60kmです。国内競合製品の多くは20~40kmで、それらより長く走行できる点が最大の強みです」(亀田氏)

 その後もスピーディーに製品を開発。2023年7月1日には、特定小型原動機付自転車の交通方法等に関する規定が施行されたのと同時に、法律に適合した認定を受けている電動キックボードの新製品「KS6 PRO」(19万8000円)をいち早く発売した。

 2024年7月現在は、3種類の電動キックボードと2種類の電動アシスト自転車を販売している。

●表参道に日本初のフラッグシップストアを開店

 日本への本格参入後は、全国の自転車店やホームセンターなどに販売先を広げているほか、オンラインやポップアップショップなどでも発売。じわじわと認知や販売台数を拡大していった。2024年5月には日本初のフラッグシップストアとなる「YADEA表参道」をオープンした。

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