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クラファンの存在意義はどこへ向かう? 寄付から物販、「地下Vtuber」を推す場へ変わる今

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月10日 9時35分

クラファンの存在意義はどこへ向かう? 寄付から物販、「地下Vtuber」を推す場へ変わる今

クラウドファンディングの今は(提供:ゲッティイメージズ)

 クラウドファンディング(以下、クラファン)という文化はすっかり定着したように見える。ソーシャルメディアの発展によって個人が不特定多数の人々に資金提供を呼び掛けることが容易になり、プロジェクトを企画したことがある人や、実際に投資した人もいることだろう。

 しかし、こうしたクラファン業界である変化が起きていることに気付いている人はいるだろうか。今回のコラムでは、知っているようで知らない、クラファンの現状とその変遷、そして「推し活」としての役割について考えていきたい。

●クラウドファンディングの利用者層

 クラファンを利用する人はどのような層だろうか。少し古い調査にはなるが、米クラファンプラットフォーム「Kickstarter」と「Indiegogo」の利用者層に関する調査(2016年)によると、多くが24~35歳のミレニアル世代だ。テクノロジーに精通し、インターネットを積極的に利用するこの世代は、新しい製品やサービスに対する興味関心が高いようだ。

 また、Kickstarterにおける支援者の46%は年収6万ドル以上、22%は10万ドル以上である。比較的多くの可処分所得を持ち、新しい体験やプロジェクトに対する支援を行う余裕があると思われる。加えて、支援者の約9割近くは大学教育を受けており、知識やスキルが高い層である。この層は新しいアイデアや技術に対する関心が高く、クラファンを通じてそれらをサポートすることに意欲的であると考えられる。

●「物販サイト化」する? クラファン

 クラファンは、当初は「寄付型(ドネーションベース)プロジェクト」が主流だった。特に社会貢献や地域活性化といったプロジェクトが多く、出資者はリターンを求めず、プロジェクトの成功を支援すること自体に価値を見いだしていた。他にはスタートアップ企業の資金調達を目的とした「投資型(エクイティベース)」のモデルがあり、多様なプロジェクトが生まれていった。

 しかし最近では、筆者の実感値だが「物販型(リワードベース)」のプロジェクトが圧倒的に多くなっているように思える。

 この変遷の背景には、米国のKickstarterやIndiegogoの成功事例があると考えられる。これらのプラットフォームは、製品の事前注文や特典を提供することで資金を集めるモデルを確立し、多くのプロジェクトが成功を収めた。特にテクノロジーガジェットやクリエイティブプロジェクトが人気を博し、クラファンが新商品のテストマーケットとして機能するようになったのである。

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