「肉のハナマサ」は肉以外も強い “異常値販売”で乗り込む関西マーケット争奪戦
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月19日 8時0分
関西に進出する「肉のハナマサ」(編集部撮影)
6月、業務用食品スーパー・肉のハナマサ(以下、ハナマサ)を運営する花正(東京都港区)が、今秋、大阪に2店舗(千日前、九条)出店すると発表した。併せて、大阪名物でもあるスーパー玉出の8店舗を譲り受けて、ハナマサとして出店することも報じられた。
現在26店舗を展開しているスーパー玉出は、西成区を中心に残る店舗で事業を継続するが、ハナマサとの業務提携も実施。それぞれのプライベートブランド(PB)商品を販売するほか、玉出の生鮮・総菜を関西のハナマサに供給するとのこと。都内中心に首都圏で展開していたハナマサが、本格的に関西進出ということになる。
ハナマサの黄色い看板は都内の繁華街周辺でもよく見かけるので、ご存じの方も多いかもしれない。ハナマサのような業務用スーパーは基本的に大容量の商品を簡易なパッケージ(消費者向けではないので見た目を気にする必要がない)で売っているため、食材を安く入手できる。ハナマサは「一般のお客さま大歓迎」とうたっていて、周囲の住人にも安いスーパーとして認知されている。
このジャンルでは神戸物産の「業務スーパー」が最大手だが、同社は生鮮や総菜は基本的に扱わない。一方ハナマサは大容量でお得なPB加工食品「プロ仕様」で、さまざまなジャンルを取りそろえているが、肉の大容量パックなどの肉関連商品が大人気である。青果、水産も相応に品ぞろえしており、大きくはない店だが、業務用需要+家庭用需要を両方取り込めるため、十分な売り上げを確保できる。
●一時は経営不振に陥ったハナマサ
ここ最近人気のハナマサだが、その歴史は紆余曲折があり、過去には経営不振に陥っていた時期もあった。東京都江戸川区で食品スーパーを始め、1983年には肉を強みとして銀座に業務用スーパーを開き、以降は急速に成長。100店舗を超える店舗網までに拡大したが、郊外で急拡大した店舗に不採算店が急増し、経営がつまずいた。
2008年には全日本食品(食品小売店、ミニスーパーなどのボランタリーチェーン)とファンドの支援、出資を仰いで再建を目指すことに。その後、2013年に精肉卸から発祥した生鮮スーパー運営のジャパンミート社(現JMホールディングス、東証プライム上場)の完全子会社となったことで、業績が急回復した。JMホールディングス(以下、JM)が、強力な生鮮スーパー運営ノウハウを持っていたからである。
●知られざる有力企業・JMホールディングス
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