赤字続きのミニストップ、逆転を狙う新業態は「コンビニキラー」? まいばすけっとに続けるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 6時15分
一方のミニストップも、親会社であるイオンのPB「トップバリュ」のほか、独自のPB商品も販売しているが、店内で作るファストフードの印象が強い。その強みを訴求できず、目的買い意識の高まりや効率化の流れに対応できなかったとみられる。直近のミニストップの客単価は約650円で、700~800円台のセブン、ローソンと比較しても低く、日販が上位3社水準よりも一段と低い要因の一つとなっている。
ミニストップに関してはそもそも立地が悪いという意見も聞かれる。都内の駅周辺では、他社が駅前に進出しているものの、ミニストップは繁華街の外れや住宅街に出店することが多い。日販が低いため家賃が払えないのだろう。「日販が低いため駅前に出店できない」→「目につくような場所になく、宣伝効果が薄い」→「客が寄らず、日販が低くなる」という負のループに陥っていた可能性も考えられる。
●安売り路線は続かなかった
フライドポテトやソフトクリーム、期間限定の「ハロハロ」など、一定のオペレーションを要するファストフード商品を売りとするミニストップは、他社よりも人手不足の影響が大きく、業績回復も相まって不採算店の閉鎖を進めた。前述の通り2018年2月期末をピークとして国内店の縮小を始め、2020年2月期には前年比で200店舗もの純減となった。コロナ禍でも閉店し続け、直近の6月末時点では1855店舗を展開する。
コンビニ業界全体で見ると、人流の減少やイベントの縮小によりコロナ禍で業績が悪化したが、この間に店舗数はあまり減少しなかったため、その後の景気回復や値上げにより市場規模は拡大した。一方でミニストップは大量閉店を進めたため、現在でも売上高は回復していない。2020年2月期から2024年2月期の各期末時点における指標は次の通りである。
国内店舗数:1997→1999→1959→1907→1856
チェーン全店売上高(国内):3140億円→2909億円→2929億円→2869億円→2830億円
コンビニの市場規模(国内):12兆1841億円→11兆6422億円→11兆7600億円→12兆1996億円→12兆7320億円
客離れが進行する中であがこうとしたのだろう。近年では商品施策で迷走するような動きがみられる。物価高が続くにもかかわらず、100~130円程度だったおにぎりを2019年に税別100円まで値下げしたことは記憶に新しい。他の総菜類との買い合わせを期待した施策だというが、全体の収益改善にはつながらず、2022年9月にはあえなく値上げした。
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