赤字続きのミニストップ、逆転を狙う新業態は「コンビニキラー」? まいばすけっとに続けるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月26日 6時15分
その他、2020年にホットコーヒーのSサイズを税別93円から同80円に値下げして集客を図ったが、現在では税込121円になっている。コストコントロールに無理があったのだろう。安易な値下げは一時的な集客にはつながるが、買い合わせを期待するのであれば他商品の質・価格を向上させる必要がある。おにぎりを他社より高価格帯に設定する一方、品質にこだわる姿勢をとるセブンとは対照的だ。
●「まいばす」のような新業態
ミニストップは海外事業でも苦戦し、各国からの撤退を進めた。2021年に中国・青島の現地企業を解散し、2022年2月期末をもって約2600店舗を有していた韓国ミニストップも韓国ロッテに売却した。今後はベトナム事業に集中する方針を採る。
国内外で苦戦する中、5月に新業態店として「ニューコンボストア」の旗艦店を東京・神田にオープンした。特徴的なのが看板である。従来の黄色は使わず、白地に青を用い、イオンのロゴも記載している。
店舗面積は従来店の50~60坪より一回り大きい79坪で、コンビニ機能に食品スーパーの機能を追加したような店舗として青果や精肉も取り扱い、店外にはドラッグストアのようにトイレットペーパーを陳列している。トップバリュの食品や冷食も扱い、イオンへの依存度が高いこともうかがえる。
従来のミニストップらしさも健在だ。店内調理のお弁当や総菜類をアイランド陳列で強調し、フライドポテトやソフトクリームなどのファストフードも扱い、専用のセルフレジで注文する方式だ。
ミニストップはニューコンボストアについて、80坪程度の物件があれば今後も引き続き出店を継続するという。業態でいえば、イオンが首都圏で数多く展開する小型スーパー「まいばすけっと」に近いといえるだろう。ちなみにまいばすけっとは「コンビニキラー」とも一部で呼ばれている。従来のコンビニ業態で苦戦するミニストップだが、イオンと共同で進める新業態店も新たなコンビニキラーとなるのだろうか。
●著者プロフィール:山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。
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