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「みどりの窓口は減ったけど、便利になったね」は不可能か いや、やればできるはず

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 7時30分

 この「話せる券売機」が使いにくいこと、買えないきっぷがあること、そしてみどりの窓口が減っていくことへの不満は、この頃からくすぶっていた。特に訪日観光客が増えた2016年以降、ネットで不満の声が現れ始めた。しかしすぐに沈静化する。コロナ禍で旅行自粛の傾向があって、窓口で閑古鳥が鳴く状態だったからだ。

 2020年にJTBは115店の閉鎖を発表し、2021年には日本旅行がグループ会社を含めて約100店舗の閉店を決めた。旅行需要が冷えていく中で、JR直営以外のきっぷの窓口はどんどん減っていた。これも2024年春のJR窓口大混雑に跳ね返ってくる。

 2024年春にみどりの窓口が大混雑し、利用者の不満の声が高まった。その背景に需要回復がある。新型コロナウイルスの第5類移行で自粛が緩み、旅行需要が回復したにもかかわらず、窓口が減ったままだったからだ。そこに新年度の定期券購入者、大型連休の旅行者、円安で急増した訪日観光客が押し寄せた。

 それでもみどりの窓口の代わりになるべく開発、設置された「話せる券売機」は使いにくいままだった。クレジットカードで購入したきっぷの払い戻し機能追加など改善は進んでいるけれども、完全な代替はできない。機械を開発している人、採用する人の想像以上に、機械を苦手とする人が多いうえ、「人のほうが分かってくれる」という期待も大きい。有り体にいえば、利用客の動向を見極められなかった。

 JR西日本もみどりの窓口を大幅に減らした。JR東日本より2年早く、2019年に「180駅のみどりの窓口を2030年までに30駅程度に減らす」と発表している。代わりに販売できる券種を増やした「高性能券売機」、または「みどりの券売機プラス」を配置する。「みどりの券売機プラス」はJR東日本の「話せる券売機」とほぼ同じ機械だ。

 さらにJR西日本は、AIキャラクターと対話しながら切符を購入できる「みどりの券売機プラスAI」も導入している。2023年3月18日から大阪駅(うめきたエリア)で稼働しているほか、2024年3月1日から出雲市駅に導入した。

 一方で、金沢駅と富山駅は2024年8月1日から有人窓口を増やす。金沢駅は1年前から窓口の混雑が顕著になり、1時間待ちの行列ができていた。そこで2024年4月から整理券システムを使って混雑を解消し、あわせて待機用の椅子を30脚用意した。行列は減ったけれども待ち時間は変わらず、増員で対応することになった。

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