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「みどりの窓口は減ったけど、便利になったね」は不可能か いや、やればできるはず

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 7時30分

 JR九州、JR四国も窓口廃止を進めており、地元紙が混雑と利用者の不満を報じている。JR東海は2013年から「お客さまサポートサービス」を進めている。これは近距離券売機や指定席券売機にモニター付きインターホンを設置し、案内センターから遠隔サポートするほか、必要に応じて現地対応係員が駆けつける。「新しいサポートサービスを導入します」と前向きに発表しているけれども、実はこれと引き換えに駅は無人化する。

 ビジネス的な考え方も分かる。みどりの窓口は年中混雑しているわけではない。大きな駅以外は、帰省や大型連休、春秋の定期券更新時期を除くと客が減り暇を持て余してしまう。ぼんやりと座って客を待つだけの係員配置はムダだ。だから窓口を機械に置き換えたほうがいい。しかし、指定席券売機の改良が追いつかないから、大混雑時に対応できない。

 窓口の人員を減らし機械化する方針は、ビジネスとして間違っていない。しかし客商売としては間違っている。タバコ屋が減っていくからとタバコの自販機を開発したけれど、そのタバコ自販機も姿を消し、結局コンビニの対面販売に戻ったではないか。きっぷはタバコのような嗜好(しこう)品ではないから、「誰もが使える公共交通」のあり方としても違和感がある。

 窓口にコストをかけられない。しかしお客はなかなか機械やネットに順応してくれない。では、どうしたらいいのか。

●きっぷを出張販売してみたらどうか

 1つの方法として、臨時窓口を増やす仕組みを整えよう。そもそもみどりの窓口の機械(マルス端末)は、なぜ今も机のように大きいのか。昔のワープロも机サイズだったけれど、どんどん小型化した。やがてPCになり、いまやタブレットでも文書をつくれるというのに。

 今の技術なら、マルス端末も小さくして可搬方式にできるかもしれない。ふだんは収納しておき、需要の多いときにコンコースに並べて指定券を発行する。花火イベントの帰りの駅できっぷを売る屋台を出す、あのスタイルにできないか。

 オペレーター不足は定年退職者の再雇用や、パート、アルバイトを採用して教育する。通年で雇用するよりコストを下げられる。臨時雇用より通年雇用が望ましいなら、この時だけ事務職、管理職に応援してもらってもいい。慣れないお客がたどたどしく指定席券売機を操作するより、毎日、何回も操作する係員のほうが発券の速度を高められ、行列を解消する時間も短くなる。

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