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うほっ、「ゴリラのひとつかみ」が人気 おもしろネーミングは「失敗のサンプル」から生まれた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月28日 7時30分

うほっ、「ゴリラのひとつかみ」が人気 おもしろネーミングは「失敗のサンプル」から生まれた

なぜ「ゴリラ」なの? 健康家電が売れている

 商品企画を担当している人にとって、避けては通れない「道」がある。これから世に出そうとしている商品の「ネーミング」だ。

 過去を振り返ると、「このネーミングはおもしろいなあ」「考えた人は天才」と感じられる商品がたくさんある。例えば、1982年に登場した洗濯機「からまん棒」(日立製作所)、甘栗を手軽に食べられる「甘栗むいちゃいました」(クラシエフーズ)、カニ風味かまぼこの「ほぼカニ」(カネテツデリカフーズ)など。

 このほかにもたくさんあるわけだが、個人的に気になっている商品名がある。家電や雑貨などを手掛けているドウシシャの「ゴリラのひとつかみ」(希望小売価格5500円)だ。

 見たことも聞いたこともない人からすれば「なんだそれ?」と思われるかもしれないが、ゴリラのようなチカラでふくらはぎをケアする健康家電のことである。ネーミングはパンチがあるものの、商品の仕組みはシンプルだ。まず、ふくらはぎに巻いて装着する。電源プラグをコンセントに差し込んで、電源ボタンを押せば動き出す。強さは弱、中、強から選べて、10分後には機械が止まるという流れだ。

 「家電量販店に行けば、売ってそうだよね。とがった商品名でウケを狙っているのかしら。で、売れたの?」などと感じられたかもしれないが、2024年2月に発売したところ、すぐにSNSで話題になり、棚からどんどん商品が消えていった。「1年で1万5000台ほど出荷できたらいいよねえ」とソロバンをはじいていたわけだが、発売から1カ月ほどで10万台を超えたのだ。

●なぜ「ゴリラ」なのか

 それにしても、ふくらはぎをケアする健康家電に、なぜ「ゴリラ」というネーミングをつけたのか。結論から先に言うと、この商品は「サンプルの失敗」から生まれたのだ。

 どういうことかというと、商品の生みの親は社会人2年目の水島英恵さんである。1年目に営業を担当して、2年目に商品を開発することに。というわけで、ほぼカニ……ではなく、ほぼ新入社員が右も左も分からないような状況の中で、商品企画が始まったのである。

 家電量販店に足を運ぶと、足をケアする商品は2万~3万円のモノが多い。しかし、「自分は健康家電を欲しいと思ったことがないんですよね。自分のような人に興味をもってもらうためには、どうすればいいのか。着圧ソックスは2000~3000円ほどなので、5000円台であれば手に取ってもらえるのではないかと考え、まずは価格を決めました」(水島さん)という。

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