やっぱりUFOっているの? 月刊『ムー』が“ムー民”の好奇心をつかんでいるワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月30日 6時0分
「ムーとのコラボ効果はコンテンツ作りのほかPRにあります。マス向けに広く訴えるのではなく、トリッキーな取り組みがメディアやSNSでネタになる仕掛けを狙って相談されることが多いですね。露出規模やPV数でなく、異質な効果を期待されて声がかかります」(Web担当者)
例えば、ヴィレッジヴァンガードでは、ムーとコラボしたアクセサリーやTシャツ、リュックなどファッションアイテムを多数発売した実績がある。ムーがテーマとして多く取り上げている「宇宙船」などのモチーフにムーのロゴをあしらったり、イラストレーターが描き下ろしたイラストとムーのロゴをかけ合わせたりして、ムーの世界観を生かした商品に仕上げている。
2022年に展開したエナジードリンク「ZONe(ゾーン)」とのコラボでは、謎多き“ゾーン状態”をさまざまな角度から徹底的に明らかにした別冊特別付録『ゾーン特集号』を共同開発したほか、超能力者が1本1本缶に念を込めた「念込め証明書付きのZONe」を製作。超能力者による本気の念込め体感イベントも企画した。
●『地球の歩き方』とのコラボは異例のヒットに
近年のコラボの中でも注目度が高かったのは、ガイドブック『地球の歩き方』とコラボし、2022年2月に発売した『地球の歩き方 ムー 異世界(パラレルワールド)の歩き方』(学研プラス、2420円)だ。
当時はコロナ禍でガイドブックは苦戦していたが、「現地に行くためというより、読み物としておもしろい内容にしたら売れるのではないか」と考え、コラボにいたったという。地球の歩き方はムーと同じく1979年の創刊であり、他社のガイドブックと比較してややマニアックな情報を掲載しているという親和性もコラボを後押しした。
幻のムー大陸や謎の古代遺跡、UFO、UMA(未確認生物)の出没地など、世界中に残る不思議に満ちたスポットの数々を取り上げ、地球の歩き方とムーの両者の視点で紹介。教科書的な定説とムーならではの大胆な超仮説を組み合わせているのが特徴だ。
発売されるとSNSを中心に話題を集め、初回版は売り切れ店が続出するなどして、何度も重版がかかった。ガイドブックは3万~4万部売れれば上々だというが、本書は累計発行部数が14万部を超える異例のヒットになった。
「メディアからも大きな反響がありました。『地球の歩き方』がこんなものを出すんだっていう意外性があったようです」(三上氏)
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