ちゃんぽん界の絶対王者「リンガーハット」 値上げだけではない、不調が続く根本原因
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月31日 6時25分
●フードコートシフトは、リーマンショックがきっかけ
そもそもリンガーハットが出店エリアをフードコートへシフトしたきっかけは、リーマンショックにある。同社は2009年2月期の営業利益が前年比7割減となる1.6億円、最終利益に至っては24.3億円の赤字となった。その後、業績を回復させるべく出店費用が路面店の半分程度で済むフードコートへとシフトしていった。その結果、2017年2月期には営業利益が当時過去最高の32.8億円を記録した。
ただ、見かけの業績は改善していたものの、客数減少の兆しは見えていた。2010年代における既存店客数について、前年比推移でマイナスが目立っていたのである。たび重なる値上げが足を引っ張っていたとみられる。筆者の所感だが、リンガーハットのCMは国産野菜や具だくさんを訴求するものの、丸亀製麺のように品質やこだわりを訴求する印象は少ない。質の高さを伝えるような宣伝をしていれば、値上げ許容度はもう少し高まっていたかもしれない。
なお今期のリンガーハット既存店業績について、同社は客単価8.5%増、売上高4.7%増を見込む。一方、客数は値上げによる影響を考慮してか3.5%減の予想だ。新規の出店計画はわずか11店舗である点も気になる。とはいえ第1四半期で利益は回復しつつあり、光明は見えている。再攻勢をかけるならば、今後はフードコート偏重の姿勢を改めることがポイントになるだろう。
●著者プロフィール:山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トップ交代でラーメンチェーン「幸楽苑」大復活の衝撃…奇をてらわない原点回帰で客数が回復
集英社オンライン / 2024年7月24日 8時0分
-
スタバのような“強力なファン”不在の「ドトールとサンマルク」。両社の明暗を分けた“意外な要素”とは
日刊SPA! / 2024年7月18日 8時53分
-
サイゼリヤ「優待廃止ショック」も国内復活の兆し 株主優待廃止で一段の成長が求められる局面に
東洋経済オンライン / 2024年7月13日 9時0分
-
はなまるうどんと丸亀製麺 「うどん同級生」でなぜ、明暗が分かれたのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月12日 6時15分
-
ランサムウェア被害で延期のイズミ本決算がついに発表、西友九州事業取得のねらいは?
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年7月2日 20時59分
ランキング
-
1コメ在庫が過去最少、高値の懸念 156万トン、前年比2割減
共同通信 / 2024年7月30日 19時13分
-
2部屋に泥棒がいる!〈高級老人ホーム〉で優雅に暮らす86歳母からのSOS…急ぎ駆けつけた51歳長男の目に飛び込んできた「まさかの光景」【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 11時15分
-
3しまむらグループの子ども服「バースデイ」が謝罪、物議のコラボ商品の販売中止【全文】
ORICON NEWS / 2024年7月30日 20時41分
-
4海外の優秀なエンジニアが日本企業を選ばない訳 人気が落ちている要因は「企業の体質」にあった
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 16時0分
-
5なぜペットボトルのサイズが8種類もあるのか…伊藤園の「むぎ茶」が圧倒的に支持される納得の理由
プレジデントオンライン / 2024年7月30日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)