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「人手不足倒産」増える宅配 インターフォンと宅配ボックスつないで再配達ゼロに

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月10日 15時23分

 ただ部屋の前に置くと、盗難されるリスクがあるほか、荷物の伝票に書いてある電話番号など個人情報を他人に見られてしまう恐れもある。このため、特に若年層の女性などには拒否反応もみられるという。

 消費者庁も置き配によるトラブルが増加しているとして注意を呼び掛けている。ネット通販で商品を注文する際には、初期設定が置き配の設定になっている場合があることに加え、誤配や盗難にあった場合の連絡先や損害の補償がどうなっているかを事前に確認しておく必要があるという。このため、置き配は再配達を減らす解決策にはならないという見方もあり、抜本的なソリューションが求められていた。

●インターフォンと宅配ボックスを連携

 そんな中、松井社長は再配達で困っている宅配業者のソリューションになるのではないかと、IPインターフォンと宅配ボックスをつなぐ必要性に気付いた。

 「最近は高級ブランドの靴をECショッピングで購入するなど、高価な品物をネットで購入する時代になってきました。マンションにある宅配ボックスにきちんと品物が届けられるシステムを作りたかったのです」

 行政の推奨もあって宅配ボックスの設置は増加しているものの、その効率的な利用という面では課題がある。この利用率を上げようと、居住者のスマホと宅配業者をつなぐ取り組みには多くの企業が注力している。DOORCOMでは宅配ボックスと自社のシステムを一気通貫で結ぶ効率的なシステムを開発した。

 このシステムは、マンションの住人であればスマホにアプリやLINEの公式アカウントに登録するだけで簡単に利用できるようにしている。配達業者がボックスに荷物を入れると住人に通知が届く。荷物の取り出しが完了した際にも通知が入る。ボックスに荷物が届いている時、帰宅時にマンションの玄関で認証をした際に、玄関の画面に通知が表示される。

 こうすることにより、送り先の住人に確実に荷物が届けられて、不在表を届けて再配達になる可能性がゼロになるのだ。置き配のように荷物が他人に見られることもないので、安心感が高いという。

●宅配ボックスの“事前占拠”はびこる グレーゾーンの争奪戦

 マンションの戸数に対して宅配ボックスの数が足りていないため、いま多くのマンションで起きているのが、宅配業者による宅配ボックスの“奪い合い”だという。実際に東京都中央区のマンションの住民は「ある宅配業者は、配達する前に許可なくカラの宅配ボックスを確保しようとして、複数の空きボックスを“事前占拠”していた」と話す。

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