1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「人手不足倒産」増える宅配 インターフォンと宅配ボックスつないで再配達ゼロに

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月10日 15時23分

 松井社長は「DOORCOMのシステムでは、箱の中にセンサーを内蔵しているため、荷物が入っていない状態ではボックスを確保できない仕組みになっています。こうした悪用を防ぐことができます」と説明する。

 今後の展開について松井社長は「IPインターフォンと宅配ボックスをつなぐことにより、インターフォンとボックスの価格をこれまでのものより3割程度安くできます。宅配業者だけでなくマンション住民の利便性、セキュリティの向上にもつながるので、全国のマンションに3年で3000棟ほど導入したい。各住戸専用の宅配ボックスを設置することも検討しています」と意欲的だ。

●自治体が宅配ボックスを推奨

 東京都江東区は1月、全国で初めて3階建て以上の新築マンション(10戸以上)に宅配ボックスの設置を義務づける条例(住戸数の1割以上)を制定した。宅配ボックスを設けることは、宅配車の駐車時間が減って道路の混雑解消などにもつながるとしている。

 篠原徹江東区住宅課長は「条例を設けたきっかけは、コロナ禍での接触機会の減少と、配達車のCO2削減です。『2024年問題』ではなかったのですが、施行してみると1割以上ボックスを作るケースが多く、住民からは好意的に受け止めていただいています」と話す。このほか川口市も新築ワンルームマンションに宅配ボックスの設置を義務付けている。

 国交省は宅配ボックスの設置を促すため、設置には補助をする政策を展開。これを受けて都内の板橋、荒川、渋谷、大田、足立、葛飾の6区で宅配ボックス設置を助成する制度を開始した。板橋区では2022年9月に、戸建てや集合住宅向けに宅配ボックスの値段と設置工事費用の半分を助成する(戸建ての場合は最大5万円、集合住宅の場合は最大15万円)。ただし、居住者らのスマホに荷物の到着を通知するなどIoTに対応した場合は3分の2(戸建てや事業所は上限15万円、集合住宅は25万円)までに引き上げた。2024年は過去2年と同様、応募期間終了前に予算が上限に達して締め切ったという。

●業界の垣根を超える

 インターフォン業界は、パナソニックとアイホンによる商品が市場を寡占している状況だ。現状はアナログ式が多いという。一方、宅配ボックスのメーカーは、フルタイムシステムと日本宅配サービスの2社が多数を占めている。

 宅配ボックスには機械式と、ネットワークでつなげる電気式がある。機械式の方が安いため、大半は機械式が設置されている。松井社長は「機械式はマンションの住人でなくても使えますが、電気式は部屋とひもづいているため住人でないと使えません」と話し、同社は電気式でインターフォンとつなぐシステムにしている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください