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急成長する“もう一つ”のポイント経済圏 知られざる「モッピー」のビジネスモデル

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月12日 7時30分

 顧客は、ECサイト、携帯電話、クレジットカードなど、企業グループ内のさまざまなサービスを利用することでポイントを貯める。そして、貯まったポイントは提携店舗で使用できる。複数の企業が共通のポイントを持ち連携することで、より大きな「経済圏」を形成し、顧客にとっての利便性を高めている。

 そして、この流れをさらに進化させたのが、モッピーのようなポイントサイトだといえる。ポイントサイトに行くと、クレジットカードの申し込みやECサイトへのショッピング、動画配信サイトへの登録などが数多く並んでいる。さらに申し込んだ場合にもらえるポイント数が記載されており、ユーザーはポイントサイト経由で申し込めば、追加でポイントを得られるのだ。

 どういったビジネスモデルなのか。ポイントメディア事業部マーケティンググループマネージャー、坂下昌範氏はこう説明する。「広告代理店からアフィリエイト案件をもらい、掲載料ではなく成果報酬で広告主から報酬をもらいます。その報酬の50~80%をユーザーに還元しています」

 モッピー自体は商品やサービスを販売せず、依頼のあった顧客にユーザーを誘導する形を取る。メディアなどの広告ビジネスと同じ形だ。そして、顧客が商品を買ったりサービスを申し込んだりして成約したら、顧客はモッピーに成果報酬という形で報酬を支払う。モッピーはそのうちの7割程度をポイントの形でユーザーに還元するという形だ。

 このように、ポイント経済圏は、自社単体ですべて完結するところからスタートし、他社も巻き込んだ共通ポイントに発展した。そして会社単位から商品・サービス単位へと粒度を細かくし、経済圏というよりも、お得の概念を前面に押し出した。

 共通ポイントの競争が激化する中、実はそこに並走する形で、こうしたポイントサイトが急成長しているわけだ。

●メディアとも違う広告ビジネス

 ポイントサイトはアフィリエイトモデルであり、一見すると雑誌やWebメディアのようなメディアビジネスに近いようにも見える。しかし、その構造をひも解くと、いわゆるメディアビジネスの収益構造とは違うことが分かる。

 メディアビジネスは、何らかのコンテンツを用意し、それを誘引力として読者を引き付け、コンテンツのおまけとして広告を見てもらうのが基本だ。このモデルの場合、コンテンツ作成コストは固定費であり、誘引力が思ったように伸びない(読者が想定を下回る)、広告が思ったほど売れないというリスクがつきまとう。

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