急成長する“もう一つ”のポイント経済圏 知られざる「モッピー」のビジネスモデル
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月12日 7時30分
そして3つめが「ポイントハック型」。これが最も興味深い。「現金は1円は1円だが、ポイントは1円が1円以上の価値になります」と坂下氏は話す。マイルは航空券に替えることで、1マイルが数円分の価値になることはよく知られている。さらに、さまざまなポイントに交換を繰り返すことでポイントを増やすこともできるのだ。例えば「モッピーから直接ANAマイルに替えるよりも、いくつかのポイント交換サイトを経由していくほうがレートが高い場合がある」とのこと。まるでポイントの錬金術師のようだ。
●「ポイ活」の未来
ポイント経済圏の進化は、とどまるところを知らない。楽天ポイントやdポイントなどの共通ポイントが話題を集める一方で、ポイ活の先端層はすでに次のステージへと足を踏み入れている。
モッピーのユーザー層を見れば、その広がりは明らかだ。坂下氏によれば「20代が28.9%、30代が26.5%、40代が17.7%、50代以上が16.3%」という分布だという。若者から中高年まで、幅広い層がポイ活に興じている実態が浮かび上がる。
この多様な層から生まれる創意工夫にも脱帽だ。共通ポイントを貯めるだけでは飽き足らず、モッピーのようなポイントサイトとポイント交換プラットフォームを駆使して、より高度なポイント運用を行う人々が増えている。彼らは、複数のポイントを組み合わせ、交換レートの差を利用し、時にはキャンペーンのタイミングを見計らって、驚くほどの還元率を実現している。
さらに、ポイ活の先端層は、単なる節約やお得感を超えた活用法を見出しつつある。ポイントを投資の一種と捉え、資産運用の一環としてポイントを活用する動きや、ポイントを通じて社会貢献活動に参加する試みなども生まれている。
共通ポイントが一般化する中、ポイ活の先端層はすでに次の段階に目を向けている。彼らの創意工夫と挑戦が、やがて新たなポイント経済圏を形作っていくのかもしれない。ポイントという小さな単位が、私たちの経済活動や消費行動に、どのような変革をもたらすのか。その答えは、ポイ活を楽しむ人々の中にあるようだ。
(斎藤健二、金融・Fintechジャーナリスト)
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