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急成長する“もう一つ”のポイント経済圏 知られざる「モッピー」のビジネスモデル

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月12日 7時30分

 ところがポイントサイトのコストとは、ユーザーに還元するポイントを指す。モッピー事業は2023年12月期の売上高約140億円、粗利益率26.8%という数字だが、これはユーザーに約70%をポイントとして還元したという意味だ。このコストは収入に連動する変動費であり、固定費の回収ができなければ簡単に赤字になるメディアビジネスとはここが大きく違う。

 ユーザー獲得の手法も進化した。友人を紹介するとポイントがもらえるというのはよくある仕組みだが、さらに「紹介した友達が獲得したポイントの10%を還元」するという仕組みも設けている。多くの友人を紹介し、友人がポイ活に勤しんでくれれば、自分は何もしなくても子会員を通じてポイントがどんどん入ってくるというわけだ。

 一見、マルチ商法であるかのようにも見えるが、子会員がさらに勧誘した孫会員という概念はなく、一世代で完結しており、マルチ商法には当たらないという認識だという。

 さらに、月に約10万人という新規会員の増加ペースは、ユーザーにとってこのビジネスモデルの魅力を如実に物語っている。アクティブな会員数521万人超、アプリダウンロード数500万超という数字は、もはや広告主からも無視できない存在感だ。多くの会員数がいるので成約率が高くなり、広告主から有利な成果報酬条件を引き出せる。すると高還元につられて多くの会員が利用する。そうした好循環にモッピーは入っているという。

●ユーザーを引き付ける「ポイ活」の実態

 モッピーのようなポイントサイトを利用する人々の「ポイ活」は、想像以上に多様で奥深い。モッピーのユーザーを観察していると、「ポイ活」には大きく3つのパターンがあるという。

 1つめは「目的志向型」だ。坂下氏はこう説明する。「旅行に行きたいというニーズは多くの人が持っています」。モッピーでは、貯めたポイントをJALマイルやANAマイルに交換し、旅行資金に充てるユーザーが多いという。こうしたマイル派の人たちは、マイルが貯まるクレジットカードも利用している場合が多いが、ポイントサイトを活用すれば買い物以外の申し込みなどでもマイルが貯まるし、ECを利用する場合ならマイルの二重取りも行える。ポイントサイトを経由することで、できる限り多くのマイルを得ようとするわけだ。

 2つめは「日常お得型」。「普段の買い物の中に『ポイ活』を取り入れることで無理せず貯められます」と坂下氏。ネットショッピングの際にモッピー経由で購入すれば、通常のポイントに加えてモッピーポイントも獲得できる。楽天市場などでモノを買うときに、ポイントサイトを経由するだけで追加の還元が得られるわけだ。これなら、特別な努力をせずとも自然とポイントが貯まっていく。まさに「コツコツ派」にぴったりだ。

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