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ワーキングプア増加? 急拡大するスポットワークは、第2の日雇い派遣となるのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月3日 7時0分

ワーキングプア増加? 急拡大するスポットワークは、第2の日雇い派遣となるのか

急拡大するスポットワークは第2の“日雇い派遣”となるのか(ゲッティイメージズ)

 隙間時間に数時間など、短い時間だけ働いて収入が得られるスポットワーク。「新しい働き方」としてネットでは好意的な声が見られます。橋本環奈さん出演のCMでおなじみのタイミーが7月、東証グロース市場に上場したことも話題になりました。

 他にもLINEスキマニやシェアフル、メルカリハロ、ご近所ワークなど異なる特徴を持った事業者がスポットワークに多数参入し、2024年秋にはリクルートがタウンワークスキマ(仮称)を提供開始すると発表しています。

 配達サービスが人々の生活に浸透し「Uber Eats」と書かれたデリバリーバッグが街中で見なれた光景になるほど、スポットワークは身近な働き方として定着しつつあります。しかしながら、かつて「ワーキングプアの温床」などと激しい非難を受けた“日雇い派遣”は、2012年施行の改正労働者派遣法によって原則禁止とされました。

 サービスとして共通点が多いスポットワークは、これから日雇い派遣と同様に規制強化の対象となっていくのか。それともこのまま、拡大の一途をたどっていくのでしょうか。(著者:川上敬太郎/ワークスタイル研究家)

●スポットワークが広がる4つの理由

 スポットワークの利用者が広がっている背景はさまざまですが、中でも大きな理由として4点挙げたいと思います。まず、働き手と職場双方から旺盛なニーズがあることです。時間に空きができた時、無為に過ごすより少しでも収入を得たいと考える人はたくさんいます。

 厚生労働省が発表した6月分の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は27カ月ぶりに上昇へと転じましたが、ここ数年、物価高が続いて家計が圧迫されてきただけに、スキマ時間を使ったプチ稼ぎの魅力は増しています。

 一方、会社や店舗などでは慢性的な人手不足です。コロナ禍で人員削減した反動もあり、特に飲食店や接客業などでは「猫の手も借りたい」と悲鳴を上げる職場が少なくありません。また、働き方改革が進められていることで、業務の合理化に取り組む職場も増えています。

 例えば、不動産会社が遠隔地にある空き家の状況を確認する場合。近隣のスポットワーカーに写真を撮って送ってもらえば、正社員が現地まで出向いていた時間を他の業務に充てたり、浮いた時間分の残業を削減したりすることができます。

 次に、テクノロジーの発展によってスマートフォン一つあれば簡単にスポットワークを利用できるようになったことが挙げられます。空き時間にサッと仕事に入りたい働き手にとっては、とても便利です。専用アプリを立ち上げると、近隣ですぐ勤務開始できる仕事がリアルタイムで表示されます。希望に合う求人が見つかれば、そのまま申し込みもできます。

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