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人材大手の内定辞退し、カレー店運営ベンチャーに入社 COOの離職で一皮むけた26歳のキャリア

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月6日 9時5分

 当時、アルバイトが中心となって店舗を回しており、戸澤さんもその大変さを実感していた。TOKYO MIX CURRYで働くことの楽しさはもちろん、他のアルバイトのためにも店舗の環境を整えていきたいという気持ちから入社を決めた。

 アルバイトの頃は調理などをメインに担当していたが、入社後は店舗運営全体とアルバイトのメンターとして動くことに。店舗運営やカレー作りのマニュアル作成やアルバイトや店舗の困りごとを収集し、解決に向けてエンジニアと連携し、システムの構築や機能拡充などに取り組んだ。

 「当時はまだカレー作りにテクノロジーをうまく介在させられておらず、アルバイトの経験則に頼っている部分がありました。TOKYO MIX CURRYでは、カレーのトッピングなどを自由にカスタマイズできるのですが、カレーを盛り付ける中でベテランと新人だとその時間に2~3倍の差が出てしまう。経験の有無にかかわらず、同じクオリティのサービスが提供できる状態が作れないか模索していました」

 そこで戸澤さんはエンジニアと連携。これまでは紙にトッピングの内容をテキストで記す形にしていたが、iPadで画像として表示させたり、トッピングの量も「大さじ2」などと指定させたりすることで、調理工程でのミスを減らすことに成功した。1つの盛り付けに1分半ほど要していたが、40秒ほどに短縮できた。

 新卒1年目から現場の改善に徹底して取り組み、成果を挙げてきた。しかし、3年目のタイミングで直属の上司であるマネジャーとその上のCOOが離脱。戸澤さんは今以上の進化を求められることになった。

●ベンチャー企業のリアル COOと直属マネジャーが同時に離脱

 「崖っぷちに立たされた感じでしたね」──戸澤さんは、レポートラインが抜けた当時をこう振り返った。

 COOは店舗の戦略立案周りを、マネジャーはアルバイトのマネジメントを担当していた。COOは論理的で戦略を組み立てて実行まで落とし込むのを得意としており、マネジャーはコミュニケーションに長けていた。その相性の良さから、店舗オペレーションの改善につながったり、新しい働き方が生まれたりしたという。

 「異なる強みを持つ2人がほぼ同時に退職されたため、わたしがその役割を両方担うことになりました。店舗オペレーションはもともと現場に入っていたわたしが改善案などを出し、マネジャーやCOOにGOサインを出してもらう形でしたが、自分が最終意思決定者になりました。アルバイトのマネジメントは徐々に引き継ぐ形で、衝撃を与えないように丁寧にコミュニケーションを取りながら進めました」

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