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2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月15日 6時5分

2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル

どうなる? 街の書店

 書店業界が深刻な危機に直面している。全国の自治体の4分の1以上で書店がゼロとなり、2028年には街から書店が消えるという予測さえある。そんな中、新たな書店モデルが登場した。これらの新しい取り組みは、苦境に立つ書店業界にどのような未来をもたらすのか。

●書店業界の現状と課題

 書店の消滅が加速している。出版文化産業振興財団(JPIC)の2024年3月時点の調査によると、全国の自治体の27.7%(482自治体)で書店が1つもない「無書店」状態となっている。

 1書店以下の自治体の割合は47.4%(825自治体)に達し、全国の約半数の自治体で、書店がないか1軒のみという深刻な状況だ。

 背景には、ネット通販や電子書籍の普及、人口減少などの複合的な要因がある。しかし、より根本的な問題として、書店経営の難しさが挙げられる。人件費や家賃などの経費は増加し続けており、書店の粗利率は高くない。

 さらに、出版業界全体の縮小も深刻だ。紙の出版物の売り上げをみると、1996年の2兆6564億円から2022年には1兆1292億円と半減している。主要取次会社も赤字経営に陥っており、このままでは2028年ごろに従来型の街の書店が消滅する可能性すら指摘されている。

 書店は単なる商品販売の場ではなく、地域の文化拠点としての役割も担っていることから、その消失は大きな影響を与えかねない。こうした危機的状況を打開するため、業界では新たなビジネスモデルの模索が始まっている。

 それが、無人営業を実現する「MUJIN書店」と、棚単位で貸し出すシェア型の「ほんまる」だ。

●トーハンとNebraskaが共同開発した「MUJIN書店」

 MUJIN書店は、取次大手のトーハン(東京都新宿区)と店舗DXを手掛けるNebraska(東京都千代田)が共同開発した書店向け無人営業化ソリューションだ。収益性と顧客体験の向上を実現するシステムで、有人営業と無人営業のハイブリッド型運営を可能にした。

 セルフレジを導入することで、夜間・早朝の購買ニーズにも対応。24時間営業を実現し、店舗収益の改善を図っている。

 現在、MUJIN書店は都内に3店舗を展開しており、1号店の山下書店世田谷店は2023年3月に実証実験を開始し、2号店のメディアライン曙橋店は同年11月から運用を始めた。3号店のメディアライン大山店は2024年3月15日より営業を開始し、いずれの店舗も有人と無人のハイブリッド型で24時間営業を行っている。

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