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「パパは全然面倒みてくれない」「ママがいい」は何が悪かった? しまむらの“残念”すぎる対応を見過ごせないワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月19日 6時15分

 また、父親が仕事で疲れ果てているために、休日に家でダラダラと寝転がっており、「パパが構ってくれなくてつまらない」と感じる子どもが多いのも事実だ。最近はキャリア志向でなくても家計を支えるために、母親も働くケースが増えている。それにもかかわらず、育児や家事の負担が母親にばかりかかっている家庭も多いと聞く。母親からすれば「あなた、少しは子どもを構ってあげてよ」と、文句の一つも言いたくなる。

 こうしてみると、加賀美氏の表現はスタンスによって肯定的にも否定的にも読める。

●安易な謝罪→販売中止でいいのか

 今回の騒動では、「不快な商品をバースデイが販売した」というSNSの書き込みに同意する人が次々に現れた。しかし、実際には、SNSに投稿しないが、その商品を支持している人のほうが多かった可能性もある。

 しまむらは強い非難を受け、販売を止める前に、「誰が反対しているのか」を立ち止まって考えるべきだったのではないだろうか。

 商品担当者がお金と時間をかけて、企画に関する会議を重ね、生産・販売の計画を立て、上司の承諾も得て、工場に発注。ようやく出来上がってきた商品だ。担当した社員には、企業人としての思いや、言い分もあるだろう。

 そうした社員のことを考えると、今回の販売中止は、トカゲの尻尾切りのごとき判断を下したようにも見える。自社の商品にどこまで愛情とプライドを持っているのか、大企業病にかかっていないか、心配になってくる。

 近年のしまむらは、「しまパト(しまむらパトロール)」と呼ばれる、頻繁にお店を訪れて、膨大な商品群から安価でセンスの良い「プチプラファッション」を抽出してSNSで発信する、インフルエンサー「しまラー」によって売り上げを伸ばしてきた部分もある。

 しまむらがSNSに力を入れてきたのは、こういったしまラーとの双方向コニュニケーションのためではなかったか。しまラーが結婚して子どもができたら、バースデイというベビー・子ども用品の店が必要になったという側面もあるだろう。

 ところが、今回の加賀美コラボ炎上は、しまパトとは無縁なところで発生した可能性が高い。そこを、しまむらが読み違えたとしたら、即座の販売中止は、ユーザーを無視した“勇み足”と言わざるを得ない。

 SNSの難しさは、本来交わるはずのないバースデイのインフルエンサーと、差別に敏感な人たちが、同じ商品情報を目にしてしまうことだ。

 今回のバースデイの件に限らず、企業が発表した商品や広告がSNSで炎上したため、あわてて謝罪して販売やCMを中止する事件が続出している。

 企業が炎上案件を謝罪して引っ込めることを繰り返していると、ますますこうした傾向が助長される。まず、企業側は非難しているのが、ユーザーかどうかを見極めるべきだ。案件が違法でなく、モラハラかどうかも微妙な場合は、顧客でもない人たちが炎上させようが、ユーザーが支持しているのなら、販売を止める理由にはならないのではないか。

(長浜淳之介)

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