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「辞めた会社に戻りたい」――増える“元サヤ転職”、その魅力と難しさ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月12日 7時45分

●経営に求められるのは「相乗効果を生む」視点

 一方、企業側は「“出戻り”を受け入れるメンバーたち」の不安を消し、出戻り社員の組織社会化を促す対策を取るべきです。

 具体的に求められるのは、以下の取り組みです。

・出戻り社員と仕事をすることで期待できるメリットを話し合う

・出戻り社員のメンター役に若い社員を付ける

 その上で、企業のトップは「我が社ならでは取り組み」を考える必要があります。

 私が取材したある企業では、新しいプロジェクトを立ち上げ、そこに出戻り組とプロパー組を数人ずつアサインしました。新しいプロジェクトで、前例を気にする必要がないため、出戻り、プロパーに関係なく、目標を達成する必要性に迫られます。

 「ポイントは前例がない点です。好き勝手にやっていい。あとは経営側が責任を取ると任せました」(当該企業の社長)

 「元鞘雇用=人手不足解消」と考えずに、「相乗効果を生む」ことをゴールに元鞘雇用を続けてください。

 どんなにいい新制度を会社が作っても、その制度の恩恵を授かった「人」も、そこで働く「人」も、「変わらない」限り、働く人にとって「良い制度」にはなり得ませんから。

●河合薫氏のプロフィール:

 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。

 研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)、『40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか - 中年以降のキャリア論 -』(ワニブックスPLUS新書)がある。

2024年1月11日、新刊『働かないニッポン』発売。

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