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なぜ今? セブン&アイ買収提案、外資大手クシュタールの狙いとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月11日 6時45分

なぜ今? セブン&アイ買収提案、外資大手クシュタールの狙いとは

提供:ゲッティイメージズ

 セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)がカナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタール(以下、クシュタール)から買収提案を受けたというニュースは、日本のビジネス界に大きな波紋を広げている。

 この提案はなぜ“今”行われたのか、またその背後にはどのような戦略があるのか。理解するためには、両社の事業戦略と市場状況を詳しく見ていく必要がある。

●カナダの小売大手、クシュタールの狙い

 セブン&アイは、日本を代表するコンビニエンスストアチェーン「セブン-イレブン」を運営する企業で、国内外に膨大な店舗ネットワークを持つ。日本国内に約2万店舗を展開し、その店舗数と売上高は業界内で圧倒的な存在感を示している。さらに、セブン&アイはコンビニ事業に加え、スーパーや百貨店、金融サービスなど多岐にわたる事業を展開しており、その総合力が業界での競争優位性を強化している。

 一方、クシュタールはカナダを拠点に世界中でコンビニエンスストアを展開する多国籍企業で、特に北米やヨーロッパで積極的なM&A戦略を進め、その規模を急速に拡大してきた。クシュタールの主力ブランドである「サークルK」や「エクスプレス」は、セブン-イレブンと競合関係にある。

 このような中でクシュタールがセブン&アイに買収提案を行った背景には、セブン-イレブンの圧倒的なブランド力とグローバルな影響力を取り込み、さらなる市場支配力を強化しようとする戦略があると考えられる。

●セブンを買うと米国とタイも手に入る?

 クシュタールがセブン&アイを買収することで、特に注目すべきはタイと米国市場の獲得だ。セブン-イレブンは、日本国内だけでなく、タイや米国でも強力なブランド力を持ち、それぞれの市場で圧倒的な存在感を示している。

 タイでは全国に約1万3000店舗を展開しており、同国のコンビニエンスストア市場のリーダーとして君臨している。タイ市場を手に入れることは、東南アジア全域への影響力を強化する大きな一歩となる。

 さらに、米国市場においても、セブン-イレブンは約9000店舗を展開し、北米最大のコンビニチェーンの一つとして地位を確立している。クシュタールがこの市場を手に入れることで、北米における市場支配力が飛躍的に高まることが予想される。

 特に、米国市場での事業拡大は、クシュタールが北米全体での成長戦略を加速させるための重要な要素となるだろう。これにより、クシュタールはタイと米国という二大市場での優位性を確立し、グローバルな競争力を大幅に強化することが可能となる。

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