子どもが“経営者”になる? 3万円の「野菜栽培キット」仕組みが面白い
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月27日 6時10分
子ども向けの「3万円の野菜栽培キット」が品薄、なぜ?
家庭で野菜を栽培するキットが売れている――。価格は3万2780円で、対象年齢は5~15歳である。
「はあ? どういうこと? 小学生や中学生向けのモノが3万円もするなんて……。ホームセンターに行けば、数千円で売ってるぜ」などと思われたかもしれないが、購入者は“仕組み”に注目しているようである。
栽培キットの商品名は「ユニコーンラボ」。スタートアップのUNICORN PoPo(東京都中央区)が6月に発売したところ、用意していた100台はあっという間に完売。子どもたちが夏休みに入る前には300台を突破して、現在は急ピッチで生産台数を増やしているそうだ。
本商品の特徴は、家庭で野菜を栽培するキットと専用アプリが使えること。キットとアプリを使うことで、子どもが“経営者”になれるというのだ。このように書いても、なんだかよく分からない人が多いと思うので、もう少し詳しく説明しよう。
まず、子どもたちには「お小遣い制」を放棄してもらう。しかし、栽培キットで収穫した野菜を親や祖父母に「売る」ことで、お小遣いの平均金額よりも収入は「2倍以上」に増えるかもしれないというのだ。
ちなみに、金融広報中央委員会の調査(2015年)によると、お小遣いの金額は、小学校の低学年で月平均1004円、中学年で864円、高学年で1000円。実証実験では、子どもは月平均2200円の利益を出していて、これは平均お小遣いの2倍ほどになる。
一方の親は「出費」が増えるだけなのかというと、そうでもない。子どもから野菜を「購入」しても、お小遣いの負担がなくなる。仮に月のお小遣いが1500円だとしたら、年間1万8000円ほどの支出が減って、「家計が潤うという“Win-Win”の関係をつくることができる」(同社)という。
子どもから野菜を買うのうでスーパーより安く購入ができたら、野菜代の節約になる。もちろん、子どもたちにお金を払うので、野菜代がゼロになるというわけではない。
●家庭内のビジネスサイクル
家庭内のビジネスサイクルは、4つのステップがある。(1)キットが届いたら、子どもは野菜の栽培を開始。ユニコーンラボを使って無農薬の野菜をつくれるが、販売するのは野菜以外でも問題ない。お掃除であったり、肩たたきであったり、100点の答案用紙であったり。アプリ上で販売できる。
(2)野菜が育ったら、親や祖父母と価格交渉をする。例えば、ミニトマトが100円で売れたら、それを収穫する。20人が参加した実証実験では、野菜をラッピングすることで販売価格を上げたケースもあったという。
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