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子どもが“経営者”になる? 3万円の「野菜栽培キット」仕組みが面白い

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月27日 6時10分

 (3)商品が売れたら、アプリでQRコード決済を行う。いわゆる“家族内ECサイト”で販売。実証実験では、自分で野菜を料理し、できあがった料理を高く売ったケースも。また、遠方に住んでいる祖父母に配送した子どももいたそうだ。

 (4)アプリ上で「売り上げを管理」することが可能。毎月の数字をグラフで確認できるので、子どもたちは金額を確認して、次の「仕入れ」を考える。野菜売り場に行って値段を調べたり、家族はどんな野菜が好きなのかを聞いたりして、栽培を始めるといった流れだ。

 ユニコーンラボのアイデアは2023年6月、Microsoft社主催のビジネスコンテスト「IDEACTIVE JAPAN PROJECT」にて、最優秀賞を受賞。この結果を受けて、ネット上で「発想がおもしろい。子どもにやらせたい」「自分が子どもだったら超やってみたい」といったコメントが飛び交ったのだ。

●商品化のきっかけ

 なぜUNICORN PoPo社は企画を考え、ビジネスコンテストに参加したのか。理由を取材したところ、社長の永野天実さんがまだ大学生だったころの話にさかのぼる(まだ会社は創業していない)。スイーツづくりに興味がある永野さんは、「ぽぽてんスイーツ」のアカウントで動画などを発信。YouTube、Instagram、TikTokの総フォロワーは65万人を超えるほどの人気インフルエンサーである。

 「もっとスイーツのことを知りたい」「外国で学びたい」という思いがあって、海外への留学を考えていた。しかし、資金が足りない。ビジネスコンテストで表彰されれば、その賞金で海外に行けるのではないかと考え、参加することに。

 ユニコーンラボの仕組みを考えたきっかけは、自身の幼少期の体験がある。子どものころにお小遣いをもらっていなかった永野さんは、代わりにケーキなどをつくって、それを家族に「売って」いたという。「おばあちゃんは入れ歯をしていたので、柔らかいお菓子をつくって販売していました。お母さんはチョコが好きなので、チョコのお菓子を売っていました」(永野さん)

 家族の好みを考えながらマーケティングを学び、売り上げを管理する。そして、次のスイーツをつくるために、材料を仕入れる。こうした自身の体験を具現化するには、どうすればいいのか。栽培キットとアプリを使えば、子どもを中心にした「家庭内経済圏」が生まれるのではないかと考え、この仕組みを生み出したそうだ。

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