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今後は吉野家、松屋も追従? すき家の“ディストピア容器”が牛丼業界の「必然」なワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月28日 6時15分

 確かに子連れが券売機を使うとなると、高い位置にあるパネルは子どもから見えにくい。選ぶ時間もかかるため、入口で行列が発生しそうだ。タッチパネル方式はすき家の立地と客層にあった方式といえるだろう。

 一方、最近では松屋と同じような券売機&セルフサービス方式を導入している。都内を中心に、改装店舗で同方式の導入が進んでいるのだ。

 こうした店舗の自動ドアには「セルフサービス」と書いてあり、同タイプの店舗は松屋と同様に、入口付近の券売機で券を購入するシステムになっている。従来店のように店員が料理を運ぶのではなく、番号を呼ばれた客が取りに行く手順なのも特徴だ。食後は客が返却口に食器を返すため、基本的に店員がホールに出てくることはない。

 セルフ方式を導入している八丁堀四丁目店(東京都中央区)を訪れた。所感として、通常のすき家の1.5~2倍程度の広さがあり、席数も多い。何より提供までのスピードが早い点が印象的であった。牛丼(並盛)を券売機で購入すると、わずか1分後に呼び出されたのである。昼下がりで客が少ない時間帯ということもあるが、外国人とみられる2人の店員は他の店舗よりゆったりと働いている印象を受けた。最低限のオペレーションで済むため、通常店よりも働きやすいのではないだろうか。

 前述の通り、これまでは券売機を避けていたすき家だが、人手不足やコスト高が進む昨今、セルフ式の導入は避けられなかったのだろう。対面での注文にこだわる吉野家も現時点で券売機には及び腰だが、一部店舗でタッチパネルの導入が進んでいる。

●そもそも皿洗いに無理があったのではないか

 最近のすき家は、店内での使い捨て容器による提供が話題となった。近未来感やSF映画を思い起こさせるのか、SNSでは“ディストピア容器”と呼ばれている。ゼンショーHDによると2022年から都内のセルフ式店舗で提供を始めたという。SNSでは「衛生的に良い」という高評価もある一方、やはり簡素さに対する批判的な意見も多い。

 話題を呼んだディストピア容器だが、人手不足に苦しむすき家にとって避けられない施策だったのだろう。牛丼店ではこびりついた米を取るために皿を1枚ずつ「浸漬槽」に浸しておく必要があり、皿洗いは重労働だ。同工程の自動化は未だに進んでいない。

 前述の八丁堀店もディストピア容器で提供していたが、つゆが容器に染み込むことがなく、いつも通り食事できた。重いどんぶりでかき込みたい気持ちもあるが、特に不便は感じなかった。

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