1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

やっぱりジムニーなのか? キャンプブームが終わっても支持されるクルマ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月6日 6時10分

●クルマを「自分だけの空間」として使う

 これらによって、従来のクルマで得られる刺激を超えた、非日常的な刺激を比較的手軽に楽しめる。これらはセカンドカーとして利用しているケースも多い。通勤やチョイ乗りには軽自動車を使い、休日の遠出には大型SUVを利用するというユーザーもいる。

 しかし、それは一部の恵まれたユーザーだけの状況とも言えそうだ。可処分所得が減る一方の庶民にとって、クルマは徐々にぜいたく品へと戻っていくのかもしれない。そうなった時、燃費性能だけでなく快適性や利便性、さらにはプラスアルファの付加価値が重視される傾向が強くなっていくだろう。

 ただの移動手段であればカーシェアや、マイクロモビリティのシェアリングサービスに取って代わられる。しかし、クルマを自分だけの空間としても利用できるようになれば、一気にコスパは高まる。

 これまでも、自室代わりにクルマの室内空間を利用してきたユーザーは少なくない。これはアウトドアではなく、インドアユーザーにも訴求できるクルマの魅力だ。バブル期以降、駐車場に停めた車内でくつろぐユーザーは増えている。

 自宅では自分が望む音量で音楽を楽しめないことから、駐車場の車内で思い切り(と言っても状況により限度はあるが)好きな音楽や映像を楽しむ向きもある。それ以外にも、読書や工作などさまざまな趣味を車内で楽しむユーザーがいるようだ。

 都内のマンション価格が異常なほど高騰するなど、首都圏の住環境は庶民にとって厳しいものになりつつある。こうしたクルマの空間利用は今後も増えていくだろう。

 前席のヘッドレストを外してリクライニングすればフルフラットになるシートは、幅広い車種で導入されている。一見、車中泊には十分な装備と思われるが、より快適に寝泊まりしたいユーザーはリアシートを折り畳んで荷室をフラットにしてマットを敷くなど、工夫している。

 前述のシエンタには7人乗りと5人乗りが用意されているが、5人乗りはセカンドシートをフラットに収納できるので、2メートルの荷室長(後部座席をフルフラットにしたときの長さ)を生み出すことができる。これも人気を支えているようだ。

●クルマの魅力を開拓し続けなければならない

 車中泊関連を中心に、車内をより快適で便利にするカー用品やアウトドアグッズが今や数多くある。

 自動運転が搭載された際に、移動中にエンタメなどを楽しむことを付加価値として考えている自動車メーカーも多いようだが、すでに車内(運転中の利用は限定的だが)でエンタメを満喫しているユーザーには、さほど魅力的には映らないのではないだろうか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください