AIが生成した文書は「手抜き」なのか? ”拒絶”する前に押さえたいポイント
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 8時30分
「AIが生成した文章だからダメ」という理屈は通用する?
こんにちは。地方自治体のデジタル化に取り組む川口弘行です。8月からスタートした連載では、自治体における生成AIの利活用について、「生成AIが出力した回答の妥当性」と「送信された情報の管理の問題」について焦点を当てました。
特に「送信された情報の管理の問題」、つまり「ChatGPTに重要な情報を送信しても安全なのか?」という点については、自治体の情報セキュリティポリシー(実施手順)でその運用を定めること、また、その前提となる考え方として、情報資産の機密性とネットワークとの関係について説明しました。
関連記事:ChatGPTに重要な情報を送っても安全か? 自治体のネットワーク分離モデルから考える
関連記事:プロンプトの悩み不要 自治体で使うべき「ChatGPT Plus」の機能とは?
今回は「生成された文章に対する評価者側の問題」について考察してみましょう。
例えば、あなたが文書を受け付けて審査する行政機関の職員の立場にあるとします。そこで、受け取った文章が実はChatGPTによって生成されたものだったと知った場合、どのような感情や反応を示すでしょうか? ともすれば「手抜きだ」「誠意がない」などとして拒絶する人もいるかもしれません。果たして、それでいいのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
●著者プロフィール:川口弘行(かわぐち・ひろゆき)
川口弘行合同会社代表社員。芝浦工業大学大学院博士(後期)課程修了。博士(工学)。2009年高知県CIO補佐官に着任して以来、省庁、地方自治体のデジタル化に関わる。
2016年、佐賀県情報企画監として在任中に開発したファイル無害化システム「サニタイザー」が全国の自治体に採用され、任期満了後に事業化、約700団体で使用されている。
2023年、公共機関の調達事務を生成型AIで支援するサービス「プロキュアテック」を開始。公共機関の調達事務をデジタル、アナログの両輪でサポートしている。
現在は、全国のいくつかの自治体のCIO補佐官、アドバイザーとして活動中。総務省地域情報化アドバイザー。
公式Webサイト:川口弘行合同会社、公式X:@kawaguchi_com
●「AIが生成した文章だからダメ」という理屈は通用するのか
ChatGPTをはじめとする多くの生成AIサービスは、無料で利用できるものが数多く存在します。行政機関の職員のみなさんが、これらのAIサービスに対して慎重な姿勢を取ることは理解できますが、一方で市民の方々にとっては、無料で利用できる便利なツールの一つです。無料ですので、当たり前のように使っている方もいらっしゃるでしょう。
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