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ウイスキー蒸溜所「1万円ツアー」が盛況 サントリーが強気の値付けでも、満席が続く理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月10日 8時15分

 2つの蒸溜所が実施していたツアーで、価格が最も高いのは5000円だったので、料金は2倍である。ツアーの内容は全く違うので、単純に比較することはできないが、社内からはこんな声があったという。「ちょっと高すぎるのではないか」「ツアーの参加者が減るのではないか」と。こうした不安も吹き飛ばして、満席が続いている。

 参加者からは「さすが山崎。どれをとっても非常に満足できた」「つくり手と直接お話ができたことで、つくり手の方の思いが伝わり、より山崎が好きになった」といったコメントがあった。

 そして、白州でも9月から「1万円のツアー」(週2回の開催、1回130分で定員10人)を実施する。ツアー前半で歴史を感じられるポットスチル(蒸溜窯)を案内しながら、映像を流す。また、麦芽づくりの伝統製法「フロアモルティング」を案内。大麦を床の上で発芽させて麦芽をつくる技術で、サントリーは1960~70年代ごろまで実施していた。その後、機械化が進んだことで途絶えていたが、「より高品質な“原酒のつくり込み”に挑戦するため」復活を決めた。

 後半では、レストランで「白州森香るハイボール」や「サントリーシングルモルトウイスキー白州12年」などをふるまう。こうした内容は、ウイスキーファンにとってはたまらないようである。白州でも受け付けを始めたところ、すぐに完売。数カ月先まで満席となるほどの盛況ぶりである。

 それにしても、サントリーはなぜ「1万円のツアー」を始めたのか。きっかけは、海外での視察である。担当者はスコットランドなどに足を運び、現地のウイスキー蒸溜所はどのような見学ツアーを実施しているのかなどを見て回った。

 「いろいろな学びがありまして、とある蒸溜所では貯蔵庫でテイスティングを実施していました。これは弊社でも取り入れられるのではないかと考え、白州のプレステージツアーでは貯蔵庫でテイスティングの体験ができるようにしました」(正田さん)

●次のツアーは?

 ちなみに、先ほどから「見学ツアーに1万円は高いのでは?」といった話をしているが、海外では事情が違うようだ。1万円前後のツアーはたくさんあって、5万円を超えるものもある。

 以前、サントリーでは1000円のツアーを実施していたことがあって、当時、海外の人から「安すぎる」といった指摘も。海外の蒸溜所を見て回って、取り入れられるものは取り入れて、見学ツアーの内容を見直していった。「満席」の状況が続いていることを踏まえると、その決断に間違いはなかったようである。

 さて、次はどんな企画で、ウイスキーファンを楽しませるのか。1万円のツアーが人気であれば、「5万円の見学ツアーを企画してみては?」と聞いたところ、「いまのところその予定はない」とのことだ。

(土肥義則)

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