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みずほ、第一生命、りそな社長が鼎談 インパクト投資への「課題と葛藤」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時50分

●投資対象を環境以外に広げる

 金融機関が、なぜ本業を通してインパクトファイナンスを含めたサステナビリティ投資を始めているのか。みずほの木原社長は、その意義を指摘した。

 「みずほの前身の第一国立銀行を創業した渋沢栄一の『公益』の考え方にもつながるもので、みずほの行員にもサステナビリティ的な考えは脈々と引き継がれています。(サステナビリティの)当初の取り組みは環境に偏っていました。これからは人権や多様性、格差など、もう少し広げていかなければならないと思い『インパクトビジネスの羅針盤』を作って、取り組むことになりました。経済的価値だけでなく社会的価値を追求することによって評価されること。これが企業の使命だと思います」

 第一生命の隅野社長は、今後もインパクト投融資を積極的に推進していく考えを明らかにした。

 「当社は創業当初からその時々の社会課題の解決を志向してきました。生命保険の生業は、保険金の給付を通じて『将来世代』へバトンを引き継ぐビジネスをしているので、最大のステークホールダーは将来世代です。100年後、この社会が存在し続けていなければ、当社のサービスは何の意味もなくなります。資金の流れを可能な限りインパクト志向に振り向けて、社会課題を自律的に解決する資金循環を実現していきたい。インパクト投融資を通じて発揮すべきインパクトの内容、質、量の在り方については答えがまだ出ていません。経営陣としてしっかりと探求して、コミットしていきたい」

 同社は2023年までにサステナビリティテーマ型投融資に2.5兆円、環境・気候変動ソリューション投融資に1.2兆円を投入。2030年に向けてサステナビリティには5兆円、環境では2.5兆円を投融資する計画だ。

●りそな「総力戦で取り組むべき課題」

 りそなの南社長は「当社グループは100年以上にわたり中堅、中小企業、個人のお客さまに支えられ、共に発展してきた経緯があり、インパクトファイナンスについても中小目線で育てていきたい」と話す。

 「中堅・中小のお客さまは、脱炭素、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)やインパクト投資について頭の中では分かっていても、なかなか一歩を踏み出すのが難しい状況ではないかと思います。以前より中小のSXなどを支援してきましたが、金融宣言が出された2021年からは、より使命感を持ちながら営業活動をしています。50万社ある中堅中小の一社一社と、前に進むために地道に対話をし、社会全体の大きなムーブメントにつなげていきたいと思います」

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