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「老人扱いしない」シニア向け事業にZ世代が殺到、なぜ? 運営会社の社長に聞いた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月27日 9時40分

「老人扱いしない」シニア向け事業にZ世代が殺到、なぜ? 運営会社の社長に聞いた

シニア向けの事業にZ世代が殺到、理由は?

 高齢者と聞くと、ネガティブなイメージを抱くかもしれないが、それを覆す注目の職業がある。「孫世代の相棒」として、シニアのウェルビーイング(心身の健康や幸福)を支える「Age-Well Designer」(エイジウェルデザイナー、以下デザイナー)という職業だ。この仕事をしている約8割はZ世代で、採用率17%と狭き門である。求人サイトで募集をかけると、月間200件の問い合わせがあるという。

 なぜ、若者たちから人気を集めているのか。また、シニアの生活にどんな変化をもたらしているのか。AgeWellJapan(東京都渋谷区)で代表を務める赤木円香氏に話を聞いた。

●「エイジズム」という社会問題

 AgeWellJapanは、2020年1月に設立し、シニア世代のウェルビーイングの実現を目指している。20~30代のスタッフがシニア世代の相棒として活動する「もっとメイト」、多世代が交流するコミュニティスペース「モットバ!」、シニアへのインタビューや調査などを実施する「AgeWellJapan Lab」の運営が主要なサービスだ。

 社名にある「AgeWell」という言葉には、年を重ねるごとにワクワクできる社会作りを目指すという思いが込められている。

 しかし、ある調査によると「100歳まで生きたい」と考える人はわずか2割にとどまる。赤木氏は「預貯金や健康に対する不安から多くのシニアが長生きすることに不安を感じ、家族への負担を懸念している。これらの意識の根底には『エイジズム(年齢差別)』がある」と指摘する。

 例えば、高齢者だから耳が聞こえないと決めつけて大きな声で話しかけることや、派手な服を着ると「みっともない」と言われることなどが挙げられる。エイジズムは、シニアの自己肯定感を低下させ、年を重ねることに対してネガティブな意識を生み出していると分析している。

●Z世代の価値観にフィット

 このエイジズムを解消するために、デザイナーが生まれた。「傾聴と対話を重視」するというが、どういった仕事なのか。

 具体的には、シニア宅の訪問でスマートフォンの使い方や新しい趣味の提案を行うほか、地域や自治体と共同で年間500回以上のイベントを企画・運営している。各種研修をクリアし、正式に認定されているデザイナーは現在130人に上る。(2024年7月末時点)

 なお、要介護認定を受けている人も既存のケアサービスと併用して利用可能だ。自立した生活の維持だけでなく、より豊かな人生をデザインすることを目指している。

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