重役が若手社員に「自己PR」 三菱マテリアルの“逆指導”制度が面白い
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月3日 6時15分
三菱マテリアルの「リバースメンター制度」、その特徴は
「リバースメンター(リバースメンタリング)」と呼ばれる制度の導入が各社で広がっている。メンターと呼ばれる先輩社員が、後輩や新入社員に対話しつつ助言するのが「メンター制度」だが、それとは反対に若手社員が上級管理職や役員のメンターとなり、新しい知識や視点を共有するというものだ。
大手企業では資生堂が2017年、住友化学が2020年、みずほフィナンシャルグループが2023年に導入。2024年にはNECも、新入社員が役員の講師役となり、DXに関する助言を行う研修を実施した。
2020年からリバースメンター制度を導入した三菱マテリアルでは、参加者を募集する際の“とある工夫”が、制度を浸透させる上で大きな効果をもたらしたという。取り組みの概要や狙いについて、人事労政室とコーポレートコミュニケーション室の担当者に話を聞いた。
●延べ150人が参加
三菱マテリアルは、三菱グループの非鉄金属メーカー。「金属事業カンパニー」「高機能製品カンパニー」「加工事業カンパニー」の3部門で多岐にわたる事業を展開しており、本社を含め24の事業所を国内に構えるほか、32の国と地域に事業拠点を持つ。従業員数は連結で1万8323人、単体で5408人を数える(2024年3月末現在)。
同社がリバースメンター制度を試験導入したのは2020年のこと。2021年に正式にスタートした。30代までの社員2~4人が役員1人のメンターを担当し、幅広いテーマについてオンライン、または対面で定期的に意見交換する。メンティー(メンターから助言を受ける人)となる役員層は参加必須で、メンターは応募制だ。これまでに延べ150人以上の社員がメンターを経験しており、2024年度は33人がメンターとして参加。応募者は基本的に全員がメンターに任命されているという。
担当する人事労政室 ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)推進グループの長谷川卓弥氏は、「当初はDXについての知見を、役員が若手から取り入れる目的で開始しましたが、現在は自由闊達(かったつ)なコミュニケーションとDE&Iの推進を主な目的に掲げて実施しています」と話す。メンタリング(対話)において話すテーマも、現在は「若手が望む働き方」「女性が働きやすい職場」「SNSでの情報発信」「男性育休について」など多岐にわたる。
さらに、部門間コミュニケーションの促進も大きな目的だという。
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