古舘伊知郎の「プレゼンの極意」 修羅場を乗り越える「準備」と「捨てる覚悟」とは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月14日 14時34分
「報道ステーションの反省会が終わったのは深夜の0時40分です。その後、地下のリハーサル室を借りて、本番さながらで(トーキングブルースの)リハーサルをやりました。すると頭が“報道ステーション脳”になっていて、“トーキングブルース脳”になっていない。もう言葉が出てこない。最悪で顔面蒼白になりました」
そんな最悪な状況の中「これはもう寝ないと体がもたない」と判断し、帰宅して午前4時には床に就いたという。
「本番当日は、開き直ろうっていうのと、怖いという思いの相半ばで本番をやったら、スムーズにできました。前日に“最悪の本番”をやったからですね。それを事前にやっておくと、翌日の本番はそれよりはマシになる。マシになったことで安堵(あんど)して調子に乗れるんですね」
最悪の本番を体験することは、実は「心を楽にするための手段」であり、良いパフォーマンスにつなげる秘訣なのだ。古舘は、就活や会議のプレゼンの場でも同じことが言えるのではないかと話す。
「例えば、就職の面接で自己PRをするとき、事前に準備したことをこなそうとすると思います。しかし、本番は何らかのいたずらが起きて理想の自分にはなれません。だったら準備をするだけして、あとは本番の直前で捨てた方がいい。準備した残滓(ざんし)がありますから、それを元にしてやると、ちょうどいい感じになるはずです。捨てないと、準備した通りにやろうとして本番がギクシャクしますよね」
取引先との商談や会議の場でも同じだ。準備すればした分だけ、どうしても事前に作成したパワーポイント通りに進めたくなる心理が働く。
「準備をするだけして、その準備をいったん捨てるのは、とても効率が悪いことです。私の理屈では、準備というのは本番で、本番は何かというと『超本番』なんです。だから準備さえしていれば、肝心の超本番では憂いがなくなります」
つまり古舘は、準備すること自体の中で、本番を一度シミュレーションしているのだ。だから本番(古舘のいう超本番)では、迷いなく進められるのだろう。数々の修羅場をくぐってきた古舘独自の仕事術がつまっている。
●アドリブというのは存在しない
古舘は本書を執筆する際に「自白本」を刊行した思いだったという。 「実況はライブです。事前に調べた資料は手元にありますが、まず試合の動きに合わせて話していかないといけません。でも準備や苦悩をしながら仕事に向かう舞台裏は、皆さんに見せない方がかっこいいんじゃないかと思って生きてきました」
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