1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

全てが安いわけではないのに、「コストコ」はなぜお客の心をつかむのか 商品以外の魅力に迫る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月5日 6時10分

全てが安いわけではないのに、「コストコ」はなぜお客の心をつかむのか 商品以外の魅力に迫る

あらためて、コストコの魅力とは?

 会員制スーパー「コストコ」の開店が相次いでいる。2023年8月の大阪・門真倉庫店に続き、今夏は滋賀と沖縄に2店舗が開店した。秋には福岡に、36店舗目となる小郡倉庫店をオープンする予定である。

 品ぞろえや店舗の楽しさを評価する声が多く、根強いファンを獲得しているのがコストコの特徴だ。通常のスーパーもコストコ製品を扱うコーナーを設けるようになり、いわゆる「再販店」も現れている。消費者を魅了する理由はどこにあるのか。実際に店舗を訪れ、その理由を探った。

●飛行機の格納庫を使った店舗がルーツ

 コストコは1976年に米カリフォルニア州で開店した小売店「Price Club」をルーツとする。飛行機の格納庫を活用した店舗であり、現在の店舗デザインの原型となった。1983年に米ワシントン州で「Costco」の1号店がオープンし、1993年にPrice Clubと合併する形で「プライスコストコ」が誕生、1999年に日本へ上陸した。当初の10年間は年に1店舗ペースで出店していたが、それ以降はペースを加速させ、現在では国内で35店舗を展開している。

 店舗は誰でも入れるわけではない。入店するには個人または法人会員になる必要があり、個人会員のランクには「ゴールドスター」(年会費4840円)と「エグゼクティブ・ゴールドスター」(同9900円)の2種類がある。上位ランクは最大2%の還元を受けられるほか、特別クーポンを配布している。入店時に顔写真の載った会員証を掲示するシステムで、同伴者は2人まで入店可能だ。

●コストコが「2割安い」と主張するワケ

 今回、記事の執筆に当たって新三郷倉庫店(埼玉県三郷市)を訪れた。これまでコストコに対してスーパーという認識があったが、店内は食品や洗剤といった消耗品だけでなく、衣服や家具、家電にPCと幅広い商品を陳列していた。ブランドにこだわらなければ家庭内に必要なものを全てそろえられる。

 非冷蔵・冷凍の食品や洗剤類などの消耗品は、基本的にパレット上に陳列している。IKEAの倉庫と同じような雰囲気だ。常のスーパーのように商品棚に並べるのではなく、メーカーから入荷し、そのまま陳列する形をとっている。倉庫の上段にもパレットが置いてあり、下段の商品がなくなったら上段のパレットから下ろしていると考えられる。

 一般的な小売店と異なり、コストコはメーカーからの直接取引を基本としている。メーカーから配送された商品は一度コストコの物流センターに集められ、そこから各店舗に配送される仕組みだ。直接取引であること、そしてパレット陳列で手間がかからないことが安さにつながり「市場価格より2割安く提供している」とコストコは主張している。ただし、商品は2.6キロの食用油や5リットル以上の洗剤というように、大容量のものが多い。大容量品を大量に仕入れることで安さを実現しているわけだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください