還元率10%! セブンVS.ローソンの「ポイント競争」はどうなる?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月7日 11時6分
ポイント経済競争は、大手コンビニを巻き込むことに
クレジットカード会社と通信大手による新たなポイント経済圏競争が、大手コンビニチェーンを巻き込む形で激化している。三井住友カードは10月15日から、セブン-イレブン・ジャパンと提携し、スマホのタッチ決済で最大10%のポイント還元を開始する。一方、KDDIは同月2日、ローソンとの連携を強化した「Pontaパス」を立ち上げ、週替わりの割引クーポンなど多彩な特典を提供して対抗する。
両陣営とも、スマートフォンを活用した決済とポイント還元に注力しており、コンビニ業界が異業種間競争の主戦場となっている。セブン-イレブンの約2万1000店舗、ローソンの約1万4600店舗という巨大な店舗網を舞台に、カード会社や通信事業者が顧客の囲い込みを図る構図だ。
消費者にとっては還元率の向上や特典の充実という恩恵が期待できる一方、各社は膨大な個人の購買データを獲得できる。今回の提携強化によって、両陣営が描く戦略とは何か。
●セブン、Vポイント採用で業界地図に変化
三井住友カードは10月15日から、セブン-イレブン・ジャパンと提携し、スマホによるタッチ決済で最大10%のポイント還元を始める。これは単なる高還元サービスの開始にとどまらず、業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めている。
これまでセブンは、独自のポイントシステムであるセブンマイルを採用し、共通ポイントへの対応を避けてきた。一方、ライバルのローソンはPonta、ファミリーマートは楽天ポイントやdポイント、Vポイントと提携するなど、大手共通ポイントを積極的に導入してきた。
今回の提携により、セブンの顧客は実質的にVポイントをためる手段を得ることになる。利用者はセブン-イレブンアプリの会員コードを提示し、三井住友カードのスマホタッチ決済で支払いを行うと、9.5%のVポイントが付与される。さらに、セブンマイルをVポイントに交換することで、還元率が最大10%となる。
三井住友カードの大西幸彦社長は「スマホのタッチ決済の便利さを実感いただくことで、さらに利用が広がると期待している」と話す。同社によると、セブンでの三井住友カードによる決済の約5割がすでにスマホのタッチ決済だという。
この高還元率サービスには期間の定めがない。三井住友カードのマーケティング本部長、佐々木丈也専務執行役員は「一時的なキャンペーンということではなく、両社の中長期的なキャンペーンとして実施するもの」と説明する。
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