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還元率10%! セブンVS.ローソンの「ポイント競争」はどうなる?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月7日 11時6分

 今回の提携は、セブンの戦略に大きな転換をもたらす。これまで独自路線を貫いてきた同社が、大手共通ポイントとの連携に踏み切ったことで、コンビニ業界におけるポイントサービスの勢力図が大きく変わる可能性がある。

 セブンとVポイントの連携は、両社にとって大きなメリットがある。セブンは全国約2万1000店舗の巨大な店舗網を持ち、Vポイントは国内約8600万人の会員を抱える。この組み合わせにより、両社は顧客基盤の拡大と購買データの獲得を見込めることになる。

●KDDIがPontaパスで先行、auブランドからの脱却も

 コンビニと連携してポイント経済圏を広げようとする動きは、実はローソンに出資したKDDIのほうが先行している。KDDIは10月2日、従来の「auスマートパス」を刷新し、「Pontaパス」としてサービスを開始した。

 Pontaパスは、月額548円で提供される有料会員サービスだ。ローソンで使える週替わりクーポンを提供し、毎月600円相当以上のクーポンが利用可能となる。さらに、au PAY(コード支払い)利用時のPontaポイント還元率を上乗せするなど、ローソンとの連携を強化している。

 KDDIパーソナル事業本部の繁田光平氏は「最低でも3000円以上のお得が返ってくる」と強調する。ローソンのマーケティング責任者、勝田暁氏も「人気商品や定番商品、季節商品などを展開する。からあげクンだけでも月間3個の無料クーポンを提供する」と意気込む。

 注目すべきは、KDDIがこのサービスで「au」ブランドを外し、「Ponta」ブランドを前面に打ち出した点だ。KDDIの繁田氏は囲み取材で、この戦略について次のように説明した。「auという形になると、どうしてもその対象が限られるように思われてしまう。まずは、ローソンに行きやすい、使いやすいサービス名にしたかった」

 これは、KDDIが通信キャリアの枠を越えて、より広範な顧客層の獲得を目指していることを示している。Pontaは約1.2億のID数を持つ共通ポイントサービスであり、auユーザー以外にもアプローチできる利点がある。繁田氏は、キャリアを問わず普及させることを目指していると強調した。

●KDDIとローソンの戦略

 この動きは、KDDIとローソンが2月に締結した資本業務提携の一環でもある。両社は「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値の創出を目指しており、Pontaパスはその具体的な施策の一つと位置付けられる。

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