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「謎」が多い楽天のメッセージングアプリ LINEに代わる存在になるのか、本部を直撃した

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月11日 5時15分

――確かに、安全と言われる他のメッセージングアプリのアピールポイントも暗号化ですね。やはり個人的なメッセージを他人に見られるのは気持ち悪いですから。

 1対1のチャットでは、指定した時間が経過した後に自動的にメッセージが消滅される機能も提供しています。加えて、サーバとの接続には全てHTTPS(暗号化通信を使って、Web情報を送受信する仕組み)を使用し、ユーザーや企業間の全てのチャットにおいて通信中の暗号化を行い、メッセージが送信されると同時に暗号化、宛先に届くまで暗号化を維持しています。

 さらに、発信者番号通知機能により、ユーザーはスパムメールから保護され、重要な電話を簡単に識別できます。受信者の番号が不正行為に悪用されていないことを確認できる「高度な保護メッセージ」の機能も展開しています。これは、金融機関や機密情報を扱う企業にとって特に有用です。

――スーパーアプリになっている国があるとのことですが、欧州などで普及しているアプリユーザー間での支払いもできるのですか?

 私たちが提供する「Viber Payments(リアルタイム送金サービス)」は、一部の国で提供しているサービスで、Viberユーザー間で送金ができます。送金に関する全ての業務は、アイスランド中央銀行の認可および規制を受けるフィンテック企業「Rapyd」によって安全に管理されています。Rapydは、欧州の規制要件である「セーフガード」と呼ばれるプロセスに準拠しており、ユーザーの資金はEU銀行の専用口座で安全に保管されます。

 最近、米国公認会計士協会(AICPA)が策定した監査基準を取得しました。 この厳格な枠組みは、顧客データのセキュリティ、可用性、機密性、プライバシーを確保するために設計されており、当社の情報セキュリティに対する積極的な取り組みと、最高水準のデータ保護維持に対する献身を証明するものです。

●日系アプリとして表に出てきてほしい

 以上のように、かなり詳細に質問に答えてくれた。筆者としてはやはり安全性が気になっていたが、欧州に拠点を置いていることで、EU域内の個人データを保護するための統一ルールであるGDPR(一般データ保護規則)などにより、厳しいユーザー情報の管理や、サイバー攻撃の迅速な報告と対応が求められていることが評価できるだろう。

 実は筆者も少し前から特定の知人との間ではViberを使ってコミュニケーションを取っているのだが、今のところ、いちユーザーとして特に不満や違和感はない。

 ただ、楽天グループであるのに日本でほぼ普及していないのは残念である。LINEが繰り返しセキュリティ面で問題を起こして3度も総務省から行政指導を受けても、日本人がLINEを手放せないのは、日本人に優しいメッセージングアプリが他にないからだ。

 Rakuten Viberがその代わりになるにはもっと知名度を上げないといけないだろうが、日本人が安心して使えるアプリとしてどんどん表に出てきてほしい。そうなれば日本のメッセージングアプリの市場がもっと健全になると思うのだが。

(山田敏弘)

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