次の「新幹線」はどこか 東海道新幹線の“未来”を予想してみた
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月12日 6時10分
私のような新横浜駅ユーザーはどのような選択になるか。現在の「のぞみ」は、新横浜~名古屋間をノンストップで1時間16~22分で運行する。品川駅でリニアに乗り換えた場合は、新横浜~品川間が10分。余裕時間込みの乗り換えに15分、品川~名古屋間が40分、合計1時間5分だ。短縮時間がわずかで乗り換えが面倒だし、まず逆方向へ進む抵抗感もあって、東海道新幹線に乗り続けるような気がする。
東京・品川から新大阪以遠、例えば岡山、広島、博多を行き来する人はどうか。品川~名古屋間は東海道新幹線で約2時間、リニア中央新幹線で約40分。名古屋乗り換え15分を加算して、約1時間の時間短縮ができる。この1時間短縮のために乗り換えるか。これはありそうな気がする。乗り換えナシのほうが楽だけど、夜に乗って終電までに家へ帰りたいとか、朝10時の会議に間に合わせるなら1時間遅く出発できる。航空機と競争できる鉄道の所要時間「4時間の壁」の距離が伸びる。
さらに名古屋止まりのリニア中央新幹線は、新たな利用者を獲得するはずだ。名古屋~東京都西部の利用者は橋本駅が便利だし、東西どちらからも甲府、飯田へ行くならリニア中央新幹線が早い。もちろん新横浜からもリニア中央新幹線のほうが早い。
ただしこれは新たな需要だ。リニア中央新幹線は、東海道新幹線の乗客を大きく奪わない。つまり、東海道新幹線のダイヤに大きな変化はない。10年後の東海道新幹線は、東京~新大阪間の「のぞみ」のうち、1時間当たり2本が「ひかり」「こだま」に1本ずつ振り分けられる程度ではないか。
●新駅構想は進展するか
「リニア中央新幹線開業後、ダイヤに余裕ができる」という期待の下では、かねてより構想された新駅誘致の動きが活発になりそうだ。しかし、リニア中央新幹線と同時に開業するとは考えにくい。前出のように、東海道新幹線からリニア中央新幹線へ利用客が移行するとすれば、それは新大阪開業後になるだろう。東海道新幹線のダイヤに余裕ができるのはそのあとだ。
新駅の候補は2つある。1つは神奈川県寒川町の倉見地区だ。JR相模線と交差する辺りで、JR相模線の倉見駅がある。新横浜駅と小田原駅のほぼ中間に当たる。新横浜駅からも小田原駅からも約25キロメートルだ。近すぎるような気がするけれども、小田原~熱海間は約19キロメートル、三島~新富士間は約24キロメートル、掛川~浜松間は約27キロメートルという前例がある。そもそも新横浜~小田原間の約51キロメートルが長かった。東海道新幹線では最長駅間距離だ。
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