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「福岡の屋台DX」が好調 LINEや生成AIを導入して、どうなった?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月15日 6時30分

「福岡の屋台DX」が好調 LINEや生成AIを導入して、どうなった?

福岡の「屋台DX」が好評

 福岡市が誇る「屋台文化」に変化が起きている。福岡市役所では、福岡市屋台基本条例の制定から10周年となる2023年6月に、同じく設立10周年を迎えたLINEヤフーコミュニケーションズ(当時はLINE Fukuoka)とともに「屋台DX」を開始した。

 屋台のLINE公式アカウント(FUKUOKA GUIDE)を開設して、9軒の屋台がある長浜屋台街の個別情報(おすすめメニューなど)を紹介するほか、営業情報や混雑状況を見える化した。

 2024年7月には、DXの対象を福岡市内にある約100軒の屋台に広げ、機能もリニューアル。生成AIを活用し、おすすめ屋台を教えてくれるAIおいちゃんなどの検索機能を盛り込んだ。リリースから約2カ月でLINEの友だちが約7000人増え、想定以上の反響があるという。

 屋台DXの狙いや特徴、効果を福岡市の山喜多洋一氏(経済観光文化局文化まつり振興部まつり振興課 にぎわい振興係長)に聞いた。

●長浜屋台街の復活に合わせ、DXを開始

 福岡市の屋台は終戦後の混乱の中で誕生し、存続の危機を経て街との共生を探ってきた歴史がある。転機となったのは、全国初の事例となった2013年の福岡市屋台基本条例の制定で、「市の責務」「屋台営業者等の責務」とともに「利用者の責務」を定め、条例に則って屋台街を営業している。

 福岡市の屋台街は、店舗数が多い「天神エリア」(約50軒)と「中洲エリア」(約30軒)、小規模な「長浜エリア」(9軒)と「その他エリア」(7軒)があり、合計で約100軒が営業している(2024年9月時点)。最初の屋台DXは、繁華街から少し離れた長浜屋台街からスタートした。

 「DXの開始以前、長浜の屋台は2軒しか残っていませんでした。しかし、2023年6月に新しい事業者を公募して、新たに7軒が加わり、合計9軒で復活することになりました。再スタートを切る長浜屋台街を盛り上げるためにも、まずこのエリアからDXを始めることにしたんです」

 ちょうど復活のタイミングであることに加え、長浜エリアは気軽に立ち寄れる繁華街の天神・中洲エリアと異なり、わざわざ足を運ぶ必要がある。利便性を良くすることで、長浜へ足を運んでもらう狙いもあった。

●第一弾のDXで実施した4つの施策と成果

 第1弾の屋台DXで実施した主な取り組みは、以下の4つとなる。

(1)屋台LINE公式アカウントの開設

 屋台のLINE公式アカウント(FUKUOKA GUIDE)を開設し、長浜屋台街のおすすめメニューなど個別情報を紹介。より正確に説明すると、同アカウントは以前から存在していたが、休眠状態になっていた。屋台の情報発信を行う公式アカウントとして復活させたのだという。

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